作品紹介
【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】シガニー・ウィーバー/マイケル・ビーン/ランス・ヘンリクセン/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公の二等航海士のリプリーは、ノストロモ号の事件の唯一の生存者となり、57年後にシャトルが発見され回収される。その間LV 426の惑星はアチェロンと呼ばれ、移民が始まっていた。しかし、突如通信が途絶え再び宇宙海兵隊と共に旅立つ。
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ジェームズ・キャメロンは続編映画をシッカリと作り上げることのできる数少ない監督
ジェームズキャメロン監督は、1作目のリドリースコット監督から変わり本作の監督を行っています。
シガニーウィーバーは本作も主人公として出演しており、前作よりもタフな女性を演じています。
1986年のアカデミー賞では視覚効果賞、音響効果編集賞を受賞。
2009年には、イギリスの雑誌『エンパイア』が発表した「史上最高の続編映画」で1位になっています。
物語は、前作から57年後の世界。リプリー自身はコールドスリープに入っていたので、若いままですが、前作の時点で11歳になる娘 アマンダがいたことが明かされ、この2年前に他界していることがわかります。つまり享年66歳だったわけです。
この辺りの未来感は想像し難いところもあり、サラッと描かれる程度になります。
精神異常とも診断され、かなり絶望の淵に落とされる訳ですが、エイリアンの悪夢を断ち切るため再びエイリアンと対峙する展開となっていきます。
今回は海兵隊と同行するということもあり、心強い印象ではありますが、惑星LV426では、住人が全滅している様相が分かり始めます。
当然、エイリアンに侵略されたことが予測され、調査をしますが、この初期調査のシーンから、前作とは異なるテイストが織り交ぜられます。
まず、モニター越しに状況を演出する部分と完全に武装された集団での調査となることで、いかに前作屈強だったエイリアンも、さすがに太刀打ちできないような印象があります。
このモニターについては色々と思うところがありますが、低解像度のモニターで見せることで緊迫感を煽る演出となっています。
本来、前作から57年の年月があった割に、そして宇宙旅行が当たり前の世界ということも含めて流石にテクノロジーがローテクなところが気になるところです。
主人公リプリーの履いているスニーカーは、リーボックのエイリアンスタンパーと呼ばれるスニーカーで何度か復刻もされているスニーカーです。
序盤はエイリアンに襲われてしまった街が描かれて、そこから一気に中盤までアクションシーンが続きます。
中盤はニュートの生い立ちも含めた母性的な要素が含まれ、襲われるだけの展開ではなく、どのように対処するかが描かれます。
それでもやはり暗躍する会社組織の陰謀が見え隠れし、幾度かピンチに陥れられます。
中でも密室でのフェイスハガーの恐怖感は、成体のエイリアンとは異なる恐怖感がある緩急ある素晴らしい構成になっています。
中盤以降、惑星から脱出するための計画が進行していきますが、無数に蔓延るエイリアンの執拗な侵略にはやはりこれでもかというくらいの恐怖感があります。
特に対撃用として用意しているマシンガンの演出が見事で、残弾数をカウントさせつつ、侵略を可能な限り阻止するところには、とてつもない絶望感があります。
衝撃的な映像を使わず、数字のカウントで絶望感を煽る演出はさすがとしか言いようがありません。
終盤となり、ラスボス感のあるクィーンエイリアンの登場も衝撃的であり、女王アリと働きアリのような見せ方と無数に繁殖を行なっている様には、絶望以外のなにものでもありません。
最終的に惑星からの脱出後の展開は多少ヒーローモノ感のある展開でちょっとトーンダウンしますが、ものすごく直球なアクションでもあり、これはこれで盛り上げ方として充分すぎる展開です。
またしても退治するわけではなく、追い払う展開では締めくくられますが、結局戦いの勝ち負けではなく、絶望的なほどの生物兵器からいかに生き延びるかというところが、エイリアンシリーズのキーポイントかと思います。
さらに本作以降続編が用意されますが、続編ものとして、前作を超えつつも違った手法で演出する本作は、1作目を賛美しつつ名作として輝かしい功績を残しています。
意外と続編ものは前作を超えられない事が多いのですが、ジェームズキャメロンは続編映画をシッカリと作り上げることのできる数少ない監督かと思います。
予告編
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