作品紹介
【監督】ギレルモ・デル・トロ
【出演】サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】舞台は、1962年のアメリカ。主人公 イライザは映画館の階上に住み、機密機関で清掃員として働いている。声を発することができない彼女ではあるが、半魚人と呼ばれる生物と心を通わせていく。
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15歳以上の人であれば、十分におすすめできる映画
R15+指定という作品ながらも、第90回アカデミー賞作品賞受賞作品。とは言いつつも、近年、アカデミー賞作品賞では、R指定ではない作品のほうが珍しく、規制を考慮した作品では良い作品が作れない風潮には多少疑問を感じます。(※近年の26作品中18作品がR指定。)
ギレルモ・デル・トロ監督は、映画「パンズ・ラビリンス」をはじめ、かなりの作品で、クリーチャーや特殊メイクにこだわりがあり、今回は半魚人がまさにそれにあたる。
物語は主人公イライザと半魚人の恋愛物語ですが、主人公は一切声を出さないので、手話や態度で表現をします。残念ながらアカデミー主演女優賞は受賞できませんでしたが、「全米映画批評家協会賞主演女優賞」「ロサンゼルス映画批評家協会賞主演女優賞受賞」を受賞しています。
オープニングから、入浴のシーンがあり、多少性的な表現が本編随所で見られます。R15+指定となっており、一部ストリックランドのシーンでぼかしが入ります。意外にも半魚人とイライザのシーンでは特にぼかしなどが入りませんし、猫のシーンもカットされていたりはしません。このあたりの映倫のさじ加減がわかりません。
イライザは喋られない以外は、ごく普通の女性ということで描かれます。ですが、ちょっと序盤のシーンからいろいろモヤモヤしちゃいます。
「半魚人」と心を交わすという点は、喋られないからこそ、通じるのではないのかとも思えます。お互い言葉を持たなくとも、素振りや態度で意思を伝えあえる演出は見事です。
初見はかなり恐怖感を感じてしまう「半魚人」ですが、それは仕方ないところですね。仲間のいない場所で、言葉も意思も通じにくく、外見も全く異なるのですから、人も半魚人も牽制しちゃうのは当然です。
特に猫を喰らうシーンでは、理性や考え方が人とは異なることを端的に表現したシーンで、グロテスクではありますが、とても秀逸な描き方だと思います。
半魚人の持つ不思議な能力はあまり多くを描かれないところも、本筋は基本的にラブストーリーであることに重きをおいているので、綺麗な伏線となりつつも、あまり複雑な展開とならない描き方なので、見ていて納得できる展開です。
水中で2人(?)の抱き合うシーンが印象的で、1度目のシーンでのイライザの微笑みはとても良いシーンだと思います。
基本的にはおとぎ話なので、その点だけを踏まえれば、とても見やすい映画で、納得できる結末で描かれるので、15歳以上の人であれば、十分におすすめできる映画です。
ちなみによくよく考えると、映画「E.T」に多少類似点が見られるところがありますが、主人公目線で見れば、少年と女性という点で、切り分けはできるのかと思います。
予告編
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