作品紹介
【監督】古川豪
【出演】丸山隆平/真木よう子/三浦綺羅/川口真奈/北村匠海/村川絵梨/甲本雅裕/根岸季衣/岸谷五朗/名取裕子/寺尾聰/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 金子真司は、刑務所や拘置所に収容されている人に差し入れを代行する差入屋。真司の息子の幼馴染の女の子が殺害される事件が起こる。

非常に重い内容の作品ではありますが
古川豪監督は、『おくりびと』『東京リベンジャーズ』など様々な作品の助監督として活動をしています。2025年「金子差入店」で長編映画監督デビューをしています。
丸山隆平は、2002年に関ジャニ8のメンバーとなり、2004年にCDデビューをしています。2009年『歌のおにいさん』でテレビドラマに初出演をし、2011年『ワイルド7』で映画初出演をしています。
真木よう子は、1993年『REX 恐竜物語』を観て女優を目指し、1998年「無名塾」に入塾します。その後、主宰仲代達矢と行き違いがあり、退所しています。2001年「DRUG」で映画初出演をし、2005年「サマータイムマシン・ブルース」で好演しています。2006年「ゆれる」で高い評価を受けています。2014年『さよなら渓谷』『そして父になる』でも好演しており、数々の性を受賞しています。
物語は、刑務所や拘置所に収容されている人に代理で差し入れをする仕事をしている主人公一家が、とある事件をきっかけに主人公の過去とその家族のなかで様々なことを考えていくストーリーです。
序盤から、赤ちゃんをあやしながら、大荷物を運んでいる美和子が描かれ、赤ちゃんを託児所に預けてから、刑務所に行き、そこで服役囚との面会をします。
囚人は、非常に横柄なことを言いますが、この2人の関係は夫婦であり、服役囚が夫で、妻が身重で子どもが生まれたことがわかります。
主人公 金子真司は、元服役囚で、出所後に刑務所内の服役囚に対して差し入れを代行する仕事をするようになりました。
とはいえ、世間の目は厳しいところもあり、真司の生活も決して裕福ではなく、真司の伯父が営んでいた差入屋を引き継いで稼業としています。
差入店は実際に存在している店舗で一般のお店とはさほど変わらないのですが、主に拘置所や刑務所の近くにあり、店主も差し入れができるかどうかを判断できるところがあります。
「あの子はちゃんとわかってる、パパの仕事のことも」
真司の服役中に生まれた息子のために、真司はこころを入れ替えて仕事をしていますが、非常に特殊な仕事でもあり、服役囚に面会をするとはいえ、様々な人がいるので、真司自体もひと癖もふた癖もある服役囚と関わっていくのには、非常に努力がいります。
中盤でとある服役囚が出てきますが、北村匠海が演じています。最初はちょっとわからなかったのですが、北村匠海がいろいろな映画で重宝されるのがよくわかります。
この服役囚のキャラクターは強烈なインパクトがありますが、このインパクトもあり、終盤のテーマの一助になっているように思います。
「また、あたしたちを置いていく気」
真司を中心に描かれている作品ですが、真司の内面を描いているというよりも、真司を中心とした人々のつながりで本作はできています。
「間違っているのはあたしたちじゃない」
「父親は一人しかいないって」
中盤以降は、真司の物語となりますが、ポイントとなるのは、真司の伯父でもある、寺尾聰の存在感なのかと思います。
映画である必要を考えてしまうのですが、作品のテンションを考えると、2時間ドラマでもよかったのかなぁと思います。
終盤、とある事件の物語に着地点が見えてきますが、この流れ自体は感動的な作品として順当でもあり、やはり映画である必要を考えてしまいます。
「生きてください」
非常に重い内容の作品ではありますが、罪を犯した人とその罪の事情、その間を取り持つ人々の物語であり、オリジナル脚本の物語でもありますが、刑務所の周辺で暮らしている人々のことがきっちりとドラマになっているように思います。
予告編
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