作品紹介
【監督】吉田大八
【原作】筒井康隆
【声の出演】長塚京三/瀧内公美/河合優実/黒沢あすか/中島歩/カトウシンスケ/髙畑遊/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 渡辺儀助は、大学教授の仕事をリタイヤし、祖父の代からある家に住む77歳の男性。毎日決まった生活を送り、預貯金を計算しながら余生を過ごしていたが、ある日パソコンに「敵がやってくる」というメッセージを受け取る。

全編モノクロのこだわりのある作品ですが
吉田大八監督は、CM制作会社でテレビCMを数多く手掛けたあと、プロモーションビデオ等映像分野の幅を広げ、2007年「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で長編映画監督デビューをしています。2013年「桐島、部活やめるってよ」では、数多くの映画賞で称賛され、第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀作品賞を始め各賞を受賞しています。
長塚京三は、1974年にフランスのソルボンヌ大学二在学中にオーディションに合格し、「パリの中国人」で映画デビューをしています。その後、1992年「ひき逃げファミリー」で第47回毎日映画コンクール男優主演賞し、1997年「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」で第21回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しています。テレビや映画で活躍している俳優です。
物語は、大学教授の職をリタイヤし、余生を静かに暮らしていた男性が、ある日パソコンに「敵がやってくる」というメッセージを受取り不穏な感じになっていくストーリーです。
序盤から、自宅で淡々と食事を作り生活している渡辺儀助が描かれます。
本作はモノクロ作品でもあり、カラーの映像は一切ありません。
渡辺儀助は作家でもあり、iMacで作品を書斎で書いています。元大学教授であり、77歳にして、自らの貯金から残りの人生の予定を立てており、それに伴って生活をしています。
「先生みたいな特別な場所、お金じゃないです」
飲みに出かけることもあり、そこで出会う人もまた渡辺儀助の誘惑にもなりますが、女性関係の話がでてくるものの、妻に先立たれているところと年齢的なところもあり、深いところまで関与しないようなところもあります。。
本作の原作は、筒井康隆の1998年の小説「敵」が原作となっています。
中盤より、「敵がやってくる」という言葉で、色々な悪夢に苛まれるところもあり、だんだんと、夢と現実がわからない演出となっていきます。
敵が何なのか?というところが明確に描かれず、そこ言葉から恐怖に追いやられているところがありますが、思っていた展開とはちょっと異なり、単に死生観を描いた作品でもあります。
夢と現実の境目を描いている中盤以降は、思っていた展開とは異なるので、観る人によって感想は異なる感じがあります。
全編モノクロのこだわりのある作品ですが、物語自体に、もう一歩興味惹かれるところがあればよかったかもしれません。
予告編
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