作品紹介
【監督】曽利文彦
【出演】役所広司/内野聖陽/土屋太鳳/渡邊圭祐/鈴木仁/板垣李光人/水上恒司/松岡広大/佳久創/藤岡真威人/上杉柊平/栗山千明/中村獅童/尾上右近/磯村勇斗/大貫勇輔/立川談春/黒木華/寺島しのぶ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 滝沢馬琴は、友人の滝沢馬琴に構想中の物語語る。その物語は、8つの珠を持つ「八犬士」が集まり、里見家の呪いと戦う物語だった。
できれば、里見八犬伝のなんたるかをわかっている方が、本作に興味を持って観られると
曽利文彦監督は、1977年『未知との遭遇』で感銘を受け、映画監督を志し、1999年「タイタニック」でCGアニメーターとして参加しています。2002年『ピンポン』で映画監督デビューをし、。第26回日本アカデミー賞にて優秀作品賞、優秀監督賞を受賞しています。その後も、CG演出を取り入れた作品を手掛けている監督です。
役所広司は、もともとは役所勤務の職員でしたが、仲代達矢の無名塾に入り、前職の役所勤めというところから芸名を命名してもらっています。
内野聖陽は、俳優として活動し、1996年NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で注目されます。1996年「午後の遺言状」「(ハル)」をはじめ、多くの映画作品に出演しています。TV、映画、舞台と非常に高い演技力のある俳優です。
物語は、江戸時代を舞台に、人気作家が新作の小説の構想を友人に話し、その物語の創作を突き詰めていくストーリーです。
序盤から、戦のシーンから始まり、江戸時代当時の物語でもあり、8つの珠のよる不思議な力のことが語られます。
これは、劇中劇でもあり、そこから「八犬伝」の序盤が始まると滝沢馬琴が語ります。
本作は、江戸時代に書かれた小説「南総里見八犬伝」の制作秘話を綴った作品で、小説の内容と、作品の構想をかたる内容の2つの内容を描きながら、作品の創作の真髄を描いています。
ちなみに、作者の滝沢馬琴は明治時代以降につけられた名前であり、曲亭馬琴として『南総里見八犬伝』などの作品を書いています。
曲亭馬琴は物語を作り、その画として、葛飾北斎や歌川豊国など、著名な画家の協力で挿絵が書かれています。
「南総里見八犬伝」は1814年から1842年の28年間に渡り執筆された作品で馬琴のライフワークともなった作品です。
本作「八犬伝」の原作は、山田風太郎となっており、「南総里見八犬伝」の壮大な物語をわかりやすく描き、作者の馬琴の生活も織り交ぜて書かれた内容になります。なもんで、原作は山田風太郎となっています。
「南総里見八犬伝」を執筆しながらの生活と、「南総里見八犬伝」の内容の2つの物語が織り交ぜて作られているので、多少わかりにくいような印象も受けますが、実際にはメリハリのあるザッピングとなるので、どちらの物語にも興味を惹く内容となっています。
とはいえ、物語自体はオーソドックスなところもあり、作家パートも馬琴の長期間の時間の流れがあるので、どちらの物語もある程度予想はできます。
里見八犬伝を知らない人でも観られますが、できれば、里見八犬伝のなんたるかをわかっている方が、本作に興味を持って観られると思います。