作品紹介
【監督】風間太樹
【出演】川西拓実/桜田ひより/井之脇海/栁俊太郎/円井わん/奥野瑛太/天野はな/駒井蓮/櫻井海音/馬場園梓/佐津川愛美/テイ龍進/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 清澄は、マンションの住み込み管理人をしながら、DTMに没頭している男性。住人の女性 潮と出会ったことで、世界が大きく変わり始める。
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本作の内容はフワッとした作品ということでまとめられるのかなと
風間太樹監督は、映画監督の根岸吉太郎、前田哲に映画を学び、初監督の短編映画「Halcyon days」が山形国際ムービーフェスティバル2013で観客賞、武林未来賞を受賞します。その後、CM制作等に携わり、2017年映画「帝一の國」スピンオフドラマ『帝一の國~学生街の喫茶店~』で商業映画デビューをしています。2019年「チア男子!!」で、長編映画初監督となります。
川西拓実は、2020年、JO1のメンバーとしてデビューをし、2023年『クールドジ男子』でテレビドラマ初主演をしています。2024年「バジーノイズ」で映画初出演をしています。
桜田ひよりは、子役モデルとして活躍をし、その後、オーディションに応募したことで本格的に芸能界で仕事をしています。2011年「はやぶさ/HAYABUSA」で映画デビューをし、2019年『薄暮』では声優も行っています。テレビドラマや映画と幅広く活躍している女優です。
物語は、DTMに没頭している主人公が、同じマンションの住人と出会ったことで、音楽の世界に関わり始めるストーリーです。
序盤から、地味にマンションの管理人をしながら夜は自宅でDTMをして暮らしている清澄が描かれます。
DTMを一人でしたいがためにこういう暮らしをしている清澄ではありますが、部屋からの騒音の苦情があり、部屋でのDTMをするのをしばらくやめてしまいます。
DTMをやっているのが管理人の清澄とは知らずに、夜中に聞こえる音楽を潮が褒めるわけですが、夜中にDTMをしているのが、清澄とわかる流れには、非常識感を感じます。
「やっぱり、管理人さんや。海行こ。」
唐突なところもあり、でも本作は、その行間を一切ほったらかしている作品とも言えます。
潮は妙に大阪弁なのですが、本作の舞台は横浜で、多くのロケ地は横浜から湘南の地域になります。
音楽の感じがよさげなものが多いので観るに耐えるのですが、ひと昔の音楽の制作というよりも、DTMをもとに音楽制作をしているので、楽器演奏というところとはちょっと異なります。
なもんで、ベースの演奏を目の当たりにしたあとの清澄の行動には言葉になってないのですが、なにかモヤモヤするところが芽生えたのもわからないことはないです。
中盤で、潮にとあることがあり、部屋に変化がありますが、前フリもなく、あの状態になるのはどう考えてもありえないような気もします。
「海の底で女の子が踊ってるみたいな」
ここで挿入される潮のシーンはちょっと魅力的に見えます。それは、普通に清澄の心の中でもあり、なんの取っ掛かりもなかった清澄の中に残っている人の気持ちなのかもしれません。
「清澄取りかえすなら、もうひとり足んねえだろ」
ここまで観ておいて思うのは、物語のキャラクターの行動がいまいち一貫性がないところもあり、物語の流れは想定の範囲内で動いていくのですが、説明が足りてないだけなのかもしれません。
その点が、本作を観ていて、いまいちのめり込めないところでもあり、時間経過や各自の心情がいまいちわからないことで、展開を見失いやすいところかもしれません。
「うちの気持ちなんて誰もわからんやろ」
潮がそう説明するのもわかるのですが、とはいえ、端から見て本人の行動自体もわからない感じもあり、答え合わせの方法が音楽というところに落として来るので、要は、個人の主観で本作のキャラクターの心情を補完するところが、本作の制作側と観る側の温度感の違いに感じます。
大雑把には物語はわかるのですが、とはいえ、訴えかけてくるところに弱さを感じるところもでもあります。
「一人がいいんやったらそれでええと思う、否定せん、誰も」
最初から、清澄はそういう生活をしていたところでもあるので、ある意味これはこれで、各キャラクターの心情を思っても、伝わりきらないところを感じます。
「それにうちら、海で出会ったやん」
AZURの名前の意味が終盤で回収されるわけですが、本作の主軸がどこに置かれているのかが、ふわっとしているので、どうも、ここに共感を得づらいところはあります。
音楽が良くなければ、最後まで見なかったのかもしれませんが、この音楽と同様に、本作の内容はフワッとした作品ということでまとめられるのかなと思います。
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