作品紹介
【監督】山下敦弘
【出演】綾野剛/齋藤潤/芳根京子/橋本じゅん/やべきょうすけ/吉永秀平/チャンス大城/RED RICE(湘南乃風)/八木美樹/後聖人/井澤徹/岡部ひろき/米村亮太朗/坂井真紀/宮崎吐夢/ヒコロヒー/加藤雅也/北村一輝/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 岡聡実は、ある日ヤクザの成田狂児からカラオケに誘われ、歌のレッスンをお願いされる。それは、組で開催されるカラオケ大会の最下位にならないようにするためだった。
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聡実と狂児の2人の不思議な関係性が魅力なところ
山下敦弘監督は、学生時代から自主制作映画を撮影しており、1999年「どんてん生活」で長編映画監督デビューをし、その後、2005年「リンダリンダリンダ」での新境地で評価され、その後も、ドキュメンタリータッチの作風などで評判のある監督です。
綾野剛は、「仮面ライダー555」で役者デビューをし、中野裕之監督の「全速力海岸」で主演にもなります。その後、2007年「Life」で長編映画初主演をし、音楽監督も兼任しています。2014年『そこのみにて光輝く』では、様々な賞を受賞し、『コウノドリ』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64 -ロクヨン-』『怒り』『日本で一番悪い奴ら』など、話題となる作品に出演し、演技の幅を広げています。
齋藤潤は、第5回テアトルアカデミー モデルグランプリでグランプリに選ばれ、芸能界デビューをしています。2022年「Phantom Pain」で映画デビューをしています。2022年「パパとムスメの7日間」でテレビドラマデビューもしています。舞台やCMなどにも出演し、今後が期待できる俳優です。
芳根京子は、2013年『ラスト シンデレラ』で女優デビューをし、2014年「物置のピアノ」で映画初出演にして初主演しています。
物語は、主人公は合唱部にいながら、変声期になり悩んでいる中学生。ある日、見知らぬヤクザに歌のレッスンをお願いされる。理由は組長の開催するカラオケ大会で最下位になると罰ゲームがあり、それを免れようとするためだった。
序盤から、岡聡実は合唱コンクールに参加してたのですが、結局優勝はできず、帰ることになりますが、帰る前にとある男に「カラオケ行こ!」と誘われ、そこでタイトルとなります。
あらかじめ、本作の内容がわからないと意味がわからないのですが、その後の、カラオケボックスのシーンで状況は説明されます。
基本的にこの2人の物語ともなるので、さほど物語を見失うこともないとは思います。
組員に対して聡実の教示を受けようとしますが、全員がヤクザなので、当然中学生としては恐怖心を抱くのもわかります。
「怖いのはいややけど、狂児さんだけやったら続けてもええよ。カラオケ行こ」
ヤクザの組でカラオケ大会をする際に、一番下手な人が組長に入れ墨を掘られるという設定だけで、ほぼ本作の筋は決まっていますが、聡実と狂児の関係性が本作の鍵でもあり、この関係性を積み重ねていくことで、ほぼ終盤がどうなっても、それなりに心動かされる展開になるのはよくわかります。
「もう、ソプラノがきれいに出んから」
「きれいなもんしかアカンかったら、この町ごと全滅や」
このビルの屋上での2人の会話は良いです。物語としては、やはり、聡実と狂児の2人の不思議な関係性が魅力なところとなります。
その後のストーリーは、多少ひねりも加えられているので退屈せずに観られます。
エンディングは、Little Glee Monster「紅」となります。本作のキーとなる曲でもあるので、エンディングで聴けるのは良いですが、X JAPAN版ではないです。