作品紹介
【監督】李相日
【出演】広瀬すず/松坂桃李/横浜流星/多部未華子/趣里/三浦貴大/白鳥玉季/増田光桜/内田也哉子/柄本明/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 家内更紗は、父を病で亡くし、母に見捨てれた子。公園で大学生 佐伯文と出会い、2ヶ月ほど一緒に過ごすが、文は誘拐犯として逮捕されてしまう。
サブスクで観る
いまいち切実さがないのと、感情移入しづらいところもあり
李相日監督は、日本映画学校で映画を学び、卒業制作作『青〜chong〜』で高い評価を得ています。2002年「BORDER LINE」でも新藤兼人賞金賞を受賞など高い評価を得ており、『69 sixty nine』『スクラップ・ヘブン』『フラガール』と作品ごとに高い評価を得ています。
広瀬すずは、姉が専属モデルを努めていた「Seventeen」のイベントに行った際にスカウトされる。その後、同じく「Seventeen」の専属モデルとなり、2012年『天才!志村どうぶつ園』でテレビ初出演をする。以降CM等に起用され、2013年『幽かな彼女』で女優デビューをし、同年『謝罪の王様』で映画初出演をしています。テレビや映画、CM等多岐に渡る活躍をしている女優で、2020年にはルイヴィトンのアンバサダーにも就任しています。
松坂桃李は、2008年にオーディションでグランプリを受賞し、『FINEBOYS』専属モデルで芸能活動、その後、2009年『侍戦隊シンケンジャー』でテレビドラマ初主演をし、多数のテレビや映画に出演しています。
本作は、2019年凪良ゆうによる「流浪の月」が原作になっています。
物語は、両親のいない主人公が、近所にいた大学生と出会い、そのことで、大学生は誘拐で捕まってしまうが、15年後、再び2人は偶然に出会い恋愛でも愛情でもない関係が描かれていくストーリーです。
序盤から、公園にいる更紗が描かれ、文との出会いが描かれます。
そこから15年の時間が経過し、普通の生活を送っている更紗が描かれます。普通の生活をしているように見えますが、更紗自体は不感症でもあり、どこか心に闇を持っていることがわかってきます。
更紗は広瀬すずが演じていますが、アイドル的な立ち位置ではなく、濡れ場や精神的に病んでいるようなちょっと普通とは違う役どころを演じています。
佐伯文は、松坂桃李が演じていますが、松坂桃李らしい感じのちょっと何を考えているのかわかりにくい青年となっています。
本作のロケ地は、長野県松本市となっており、ほとんどの場所が松本市内で撮影されているようです。
物語は、15年前と現在が交互に描かれていくことで、2人に何があったのがわかっていく内容です。
「誰にも好きにさせちゃいけない」
佐伯文がロリコン扱いされ、隠れて生きていきながら、過去に起こったことを引きずって生きているところもあり、更紗に対しては、家族の問題もあり、トラウマのようなものを抱えながらも、普通の生活をしていこうとします。
2人にしかわからない事情が徐々に明かされていく内容ではありますが、いまいち切実さがないのと、感情移入しづらいところもあり、物語の輪郭程度は理解できますが、その他は観ている人に委ねるようなところもあります。
150分という時間と、明るい恋愛物語ではないので、多少観るのには気合が必要かもしれません。