【監督】飯塚健
【出演】中村倫也/伊藤沙莉/日村勇紀/柄本時生/井上和香/設楽統/山里亮太/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 日出男は、23年前に人間の生態調査のために地球人になりすまして暮らしてきた宇宙人。真田家四兄妹の一人として暮らしてきたが、地球を離れる日が近づいていた。
深いことを考えずに観られる作品なので、気楽に観てください。
飯塚健監督は、2003年『Summer Nude』で商業映画監督デビューをしています。舞台や映画、テレビなど幅広い範囲で活躍する監督です。なお、2012年女優の井上和香と結婚しています。
中村倫也は、高校のときにスカウトされ、2005年『七人の弔』で映画デビューをしています。その後、2014年『ヒストリーボーイズ』で舞台にも挑戦し、評価を得ています。2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でさらに知名度が上がり幅広い活動をしています。
伊藤沙莉は、2003年『14ヶ月~妻が子供に還っていく~』で芸能界デビューをし、話題となっています。2006年「イヌゴエ 幸せの肉球」で映画デビューをし、脇役から主演まで器用にこなす俳優です。ハスキーボイスが特長で、アニメの声優やナレーションもこなしています。
主題歌は、氣志團「MY SWEET ALIEN」となっています。
物語は、宇宙人である主人公が地球で人間の生態調査をしてきたが、ある日、地球を離れることとなり、そのことを家族に告げたことで、様々なことが起こり始めるコメディストーリーです。
序盤から、焼肉屋が火事になり、3兄妹が逃げ出してくるところから始まります。いわゆる、最初に最後のシーンを描く手法であり、そこから過去に戻り、物語を振り返っていく展開となります。
4人の兄妹は、焼肉屋を営みながら暮らしていますが、日出男だけは土星人として地球に来た宇宙人ということがわかります。
長女・想乃、三男・詩文は、そのことに戸惑いますが、長男・夢二はもともと日出男が土星人であることを知っており、日出男がもうじき土星に帰ることの説明をします。
「土星人は写真に映れない、そういう性質なんだ」
「土星人、振り返れないんだよ」
土星人ということで理解しながら、ともに生活しており、色々とコント感のあるコメディで描かれていきます。
4兄妹のそれぞれの環境を描きながら、日出男が地球を去るまでの日までをカウントダウンするように時間が流れますが、物悲しさよりも、コメディ感で繋がっていきます。
終盤、リンダリンダを歌うシーンがありますが、この曲を理解できる世代はどのくらいなのかとも思ってしまいます。
「お前が来なかったらよ、こんなに楽しくなかったよ」
設定自体は不可思議で不条理な物語ですが、終盤、しっかりまとめてくれています。
終盤、長男・夢二を演じる日村勇紀がかなりまとめて、いいところを持っていきますが、本作は、不条理コメディ作品です。まるでコントのようなストーリーですが、まさしくコントの延長と考えて良いのかもしれません。深いことを考えずに観られる作品なので、気楽に観てください。