【監督】イシグロキョウヘイ
【出演】市川染五郎/杉咲花/潘めぐみ/花江夏樹/梅原裕一郎/中島愛/諸星すみれ/神谷浩史/坂本真綾/山寺宏一/井上喜久子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 チェリーは俳句が趣味の少年。近所のショッピングモールで出会ったスマイルと、ケータイ電話を取り違えたことから、2人の関わりが始まる。
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これは物語ではあるけど、俳句が重要でもあります。
イシグロキョウヘイ監督は、アニメ演出家として活動を始め、2014年『四月は君の嘘』でアニメ監督デビューをしています。その後、2021年「サイダーのように言葉が湧き上がる」で劇場アニメ映画監督をしています。
市川染五郎は、父に十代目松本幸四郎を持ち歌舞伎役者として活動をしています。歌舞伎の傍ら、テレビドラマや映画に出演しており、2022年「サイダーのように言葉が湧き上がる」では、声優を務めています。
杉咲花は、子役として芸能界に入り、一時期芸能界を離れるが、中学生になり再び女優を目指し、2011年「ドン★キホーテ」でドラマ初出演をし、以降ドラマや映画に出演しています。
牛尾憲輔は、電気グルーヴなどの制作サポートを務め、2008年agraphとしてファーストアルバムをリリースしています。2011年にはLAMAとして活動をし、2014年『ピンポン THE ANIMATION』で音楽を担当しています。2016年「映画 聲の形」で映画音楽として参加しており、多方面での活躍が期待できる音楽家です。
物語は、俳句好きの少年とSNSで有名な少女が出会い、ショッピングモールを中心として描かれる青春ストーリーです。
序盤から、チェリーとスマイルの自宅での生活が描かれ、そこからショッピングモールを舞台としたオープニングとなります。
ショッピングモールを背景とした画面構成となりますが、絵柄的にはポスタリゼーション化された色合いであり、色彩設計は良い感じです。
ちょっと気になるのは、背景と人物が同じトーンでもあるので、画面の情報量が多く見えがちとなり、観るべきところが散漫と感じてしまうところです。
スマイルは歯の矯正をしているという布石があり、後々それがわかります。
チェリーとスマイルがトラブルでケータイを取り間違えたことで物語が変わっていきます。
なお、音楽が牛尾憲輔なので、心地よくこだわりがあるようなBGMでもあり、控えめながらも存在感のある音で構成されています。というか、この音楽の効果的な使い方がとても良く、むしろ牛尾憲輔のプロモーション映画とも思えます。
物語の中心には、ショッピングモールが存在しており、ここに関係する人々で、物語がつづられます。
レコードを探す話は、思わぬところで伏線がつながっていきますが、これでよいのだと思います。
SNSでつながっていくというところは、一昔前ではわからないようなところもありますが、時代が追いついたことで、こういう映像と作品が作れたのかと思います。
盆踊りの曲はグッときます。
あ、これは物語ではあるけど、俳句が重要でもあります。
題名から、ライトノベル感もあり、パステル超の絵柄といい、軽く見られるような印象もありますが、これは照れ隠しからくるところかもしれません。
「サイダーのように言葉が湧き上がる」この題名にも、仕掛けがあるのですが、これもまた、上記と同じように照れ隠しなのでしょう・・・。
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