【監督】吉野耕平
【出演】吉岡里帆/中村倫也/柄本佑/尾野真千子/工藤阿須加/小野花梨/高野麻里佳/前野朋哉/古館寛治/徳井優/六角精児/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 斎藤瞳は、地方公務員からアニメ業界に入り、監督として仕事をしている女性。デビュー作で天才監督 王子千晴と争うこととなる。王子は、わがままさとこだわりでなかなか監督業ができない中、王子を8年ぶりに監督復帰させる事となる。
この内容を理解していくには、あまりにも地味だったような気も
・吉野耕平監督は、CMやプロモーションビデオを制作し、2012年と2019年に「日本の映像作家100人」に選出されています。その後、2016年『君の名は。』で、回想パートCGと空間デザインを担当しています。2020年「水曜日が消えた」で長編映画監督デビューをしています。
・吉岡里帆は、京都太秦生まれで、芸術文化に親しみながら学生時代を過ごし、高校3年のときに、『天地明察』のエキストラ出演をします。その後、演劇の世界に触れ、18歳のときに、唐十郎の『吸血姫』で主人公を演じ、徐々に芸能の世界にのめり込み、2013年より女優としての活動を始めますが、グラビアやミュージックビデオの出演が多くなります。2015年『マンゴーと赤い車椅子』で映画デビューをし、テレビやドラマで活躍をしています。
・中村倫也は、高校のときにスカウトされ、2005年『七人の弔』で映画デビューをしています。その後、2014年『ヒストリーボーイズ』で舞台にも挑戦し、評価を得ています。2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でさらに知名度が上がり幅広い活動をしています。
・物語は、地方公務員の主人公がアニメ監督となり、アニメ制作を通じてアニメ界の頂点を目指していくストーリーです。
・序盤から、アニメ業界を目指す主人公が描かれ、そこから7年後にアニメーション監督なり、作品を手掛けているシーンが描かれます。
・原作は、直木賞作家の辻村深月の小説となっています。
・アニメ業界の裏側を描きつつも、アニメ制作に関わる様々な人の関わりあいを描いています。
・アニメ制作という仕事を主軸とした物語であり、ハウトゥ的な作品にも見えますが、そこまで細かく仕事のあるあるを描いているわけではありません。
言い方を変えると、当事者意識なく本作を見ていると、どうもその熱意に地味さがあり、少々退屈するところもあります。
・ちなみに「ハケン」とは、「派遣」ではなく「覇権」となり、アニメ界の頂点を目指して制作をしている人らを指しています。
・アニメ制作として無理難題をこなしていくところもあり、ものづくりの難しさ等も、なんとなく伝わるのですが、完成したものがどのくらいすごいのか?という点がほぼ伝わってこないので、達成感の薄さにジワジワします。
・登場人物や関わっている人々には複雑さもありますが、何を主軸として見ればよいのかがちょっとわかりにくい点もあります。
・業界内輪ネタ作品とも考えられますが、この内容を理解していくには、あまりにも地味だったような気もします。
・連載時の挿絵はCLAMPが行っています。
・劇中のアニメ「運命戦線リデルライト」は、プリキュアシリーズをいくつか手掛けている大塚隆史監督が担当しています。
・ハケンとは「覇権」のことを指しているようで、アニメ界の頂点を目指すということを示しています。
・アニメ業界の舞台裏を描いているような作品でもあり、アニメに興味がある人には面白く観られるのかもしれません。