作品紹介
【監督】城定秀夫
【出演】磯村勇斗/北村優衣/宇野祥平/毎熊克哉/山本直樹/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】とある無人島に暮らす男性2人と女性1人。宗教団体「ニコニコ人生センター」に所属する3人はその島で奇妙な生活をつづけていた。
サブスクで観る
もともと山本直樹原作の漫画の映画化なので、広く一般の人にはおすすめできない作品
城定秀夫監督は、ピンク映画やオリジナルビデオで助監督を務め、2003年『味見したい人妻たち』で映画監督デビューその後もピンク映画のみならず、多彩な作品を送り出している監督です。
磯村勇斗は、高校の頃から役者を志し、2015年『仮面ライダーゴースト』でレギュラー出演を果たしています。その後、2017年「ひよっこ」では主人公の結婚相手となる役を演じています。2022年第45回日本アカデミー賞で、『ヤクザと家族 The Family』と『劇場版 きのう何食べた?』で新人俳優賞を受賞し、今後が期待できる俳優です。
北村優衣は、14歳の頃に「レプロ次世代スターオーディション」で合格をし、芸能界入りをしています。2016年「HANA」で映画初出演をし、「シグナル100」「13月の女の子」などの映画をはじめ、TVや舞台でも活躍する女優です。
原作は、1999年に『ビッグコミックスピリッツ』で連載された山本直樹の漫画です。
R15指定の作品となるので、鑑賞には注意が必要です。
主題歌は、曽我部恵一「ぼくらの歌」となっており、映画音楽も曽我部恵一が担当しています。
物語は、カルト宗教を信仰する男女3人が、無人島生活の中で生活をしていくうちに、本能と欲望をむき出しにしていくストーリーです。
中盤までは淡々と不思議な島での生活が描かれますが、島に他の人々が来たときにちょっとしたトラブルが起こります。
「体液が分泌されたということですね。」
とはいえ、序盤での来訪者については、このもともと住んでいた3人の関係に変化を及ぼすきっかけでしかないです。
宗教団体「ニコニコ人生センター」のことがいまいち詳細に描かれないので、モヤモヤしますが、とりあえずは、妙な規則があり、そのことに信奉しているということが前提でわかっていればなんら問題ないです。
「これも報告しなければいけませんか?」
まあ、当然こうなるよなぁという関係となりますが、本作はそういうことが主となる作品ではありません。
「議長さんも副議長さんも頑張ってください」
ちょっと我にかえると、このシーンはギャグ以外のなにものでもありません。
3人の関係に妙な空気が流れながらの展開となりますが、本作の独特な世界観というのは、こういうところなのかと思います。
「やっぱり、かじりとれません」
中盤で何かが暴走しているような気がしますが、むしろこの変なところが、山本直樹的なおもしろさなのかと思います。
「私と副議長さんが結合する夢でした」
徐々にエスカレートしながらの、終盤の閉鎖的な場所からの開放でもあり、その開放には、どこか空想的なところが込められています。
締めくくり方は、観ている人に解釈を委ねる演出となっているので、賛否はあると思いますが、もともと山本直樹原作の漫画の映画化なので、広く一般の人にはおすすめできない作品ではあります。
ただし、独特な世界観を理解できているのであれば、楽しく鑑賞できるのかと思います。