作品紹介
【監督】戸田彬弘
【出演】津田寛治/駒井蓮/観修寺保都/松本穂香/内田理央/池田良/木嶋のりこ/金澤美穂/比嘉梨乃/真広佳奈/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 中村正男は、会社が倒産し、様々な場所で偽名を使いながら生活をしている男性。ある日「お父さん」と呼ぶ女子高生「葉山笑子」が現れ、親子のような生活を始める。
サブスクで観る
淡々とした内容ですが、登場人物は、正男と笑子に集約
戸田彬弘監督は、大学時代より映画製作をはじめ、演劇から活動を始め、独学で映画を制作してきています。2014年『ねこにみかん』で長編映画デビューをし、その後、コンスタントに作品を発表しています。
津田寛治は、演劇を目指し活動をしてきているときに録音スタジオ内の喫茶店に来店した北野武監督に売り込みをし、1993「ソナチネ」で映画デビューをしています。2015年『食の軍師』でテレビドラマ初主演をし、その後、テレビや映画で活躍している俳優です。
駒井蓮は、青森県平川市出身で、中学生のときにスカウトされます。2016年「セーラー服と機関銃-卒業-」で映画デビューをし、2018年「名前」で初主演をしています。2021年「いとみち」では、地元の青森津津軽地方を舞台とした作品で単独初主演をしています。
物語は、偽名を使いながら生活をしている男性のもとに、その素性を知っている女子校生が現れ、一緒に生活をしていくうちに、とある偽名を使いながら生活することに変化が起こり始めるストーリーです。
序盤から、家の内覧をする正男が描かれます。そこで書かれる名前はいかにもな名前の「鈴木太郎」。
そこから正男の自宅での生活っぷりが描かれますが、自宅自体がゴミ屋敷のようなことになってたりします。
仕事をする上で、嘘をつきながら仕事をしていることがバレそうになったりと、正男の素性が嘘で塗り固められているような状況だとわかってきます。
疑われているような状況を助けるのが、「葉山笑子」ですが、唐突にも「お父さん」と呼び、何やら訳ありな正男のことを知っているかのような描かれ方になります。
正男と笑子の2人の行動で物語が進んでいきますが、一度は失敗してしまった正男が、偽名を使って生活していることに徐々に変化が起き始めます。
中盤からは、笑子の事情も描かれていき、どこか居場所を失っていた笑子のことがわかってきます。
笑子が「お父さん」と呼ぶことには理由があったことも描かれていきます。
本作は、正男の視点と笑子の視点で同じように見えるようで、それぞれが異なる考えがあることがわかってきます。
結末自体は、先生からの問いかけと、笑子が答えた言葉にすべてが詰まっています。
自分自身の居場所を無くしてしまっているように思いますが、実はそんなことはないと思いたくなるような印象が残ります。
淡々とした内容ですが、登場人物は、正男と笑子に集約してくるので、わかりやすい作品かと思います。