【マンガ】「鉄コン筋クリート〔1993〕」★★★★★【感想・レビュー】

作品紹介

【原作】
【連載】ビッグコミックスピリッツ

【個人的評価】

【あらすじ】宝町に住む少年「クロ」と「シロ」のお話。

鉄コン筋クリート ART BOOK シロside 建築現場編

何度読んでも個人的には飽きない

宝町を利用しようとするヤクザ等が登場し、彼らと「クロ」「シロ」の対決なんかもあったりするが、実際には「クロ」「シロ」が様々な事件を通じて成長していく話。

全33話と意外と短い。単行本は全部で3冊。

本当のストーリーの核心は「クロ」「シロ」の心の中にあり、終盤登場する「イタチ」の存在により、深いメタファーを物語に影をおとしている。

なわけで、何度読んでも個人的には飽きない。

このテキトーな生活っぷりの「クロ」と「シロ」の言動を絡ませつつ、33回という短い話数でまとめている点は凄まじく素晴らしい。さらに松本大洋の絵も凄まじく美しい。ただし、この作品を最後に松本大洋の絵はさらに次の段階に進んでいきます。個人的にはこの頃の絵がとても好きだ。

歪んだ宝町という描き方はいわゆる「架空」という表現であり、前作「花男」でも同様な手法で、お伽噺の構築をしている。つまり、非常に計算高くかつ緻密なのだ。しかし一目ではそれがわかりにくい。その松本大洋の世界観の薄め方が絶妙なのだ。

映画化やアニメ化などは不可能だろうと言われていたが、実際作られたようで・・・。はじめは「」監督のプロモーションが作られたが、お蔵入りとなり、「マイケル・アリアス」監督が代わりに製作することになった。正直、森本晃司版の方が好きかもしれない。というか、マイケル・アリアス版は、アニメ「MIND GAME」の作画に近い物を感じる。いや、決してマイケル・アリアス版が駄目な訳ではないけど。

とりあえずは松本大洋の作品が「映画化・アニメ化」されるのはこれで、3度目となる訳で、業界的にも熱いファンが居るのだろう。そのあたりは「」に通じるところがある。

とりあえず、この得体の知れない空気感をどうやって出してくるのかは見物だ。「クロ」の声優は、「シロ」の声優はがやるという噂である。

予告編


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です