【日本映画】「日日是好日〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 典子は大学生のとして日々を暮らしていたが、突然母親から茶道を勧められる。従姉妹の美智子とともに茶道の先生 武田のおばさんの指導を受けることになる。

樹木希林のなんとも言えない存在感があってこそ成り立っているところでもあり、晩年に出演した作品としてしっかりと自己表現に繋がっている良作

大森立嗣監督は、父親に、義理の弟に俳優のがいます。大学で「8mm同好会」に入り、映像制作に関わることになります。

主演の黒木華は、演劇を学び、NODA・MAP公演『ザ・キャラクター』にアンサンブルとして初舞台に立ってデビュー後、映画にも出演するようになり、第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞し、日本人女優では史上四人目となります。

樹木希林は、杉村春子の付き人をした後に、役者としてデビュー後、芸名売却などもあり、樹木希林の芸名は後々つけられました。老け役として昔から活動しておりましたが、2018年に他界しています。

物語は、茶道の世界に入り、そこで織りなす長年における考え方を描いた作品。

『日日是好日』とは、森下典子のエッセイとして書かれた『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』が原作となっています。

お茶の世界とは決まり事が多く、ちょっとした所作だけでも、かなり細かい作法があります。

その作法については、何も知らないところから習いにきた主人公と同じ目線で、お茶の世界を知ることができます。

この部分については、このお茶の世界を下敷きとして、人生や感性をどのようにとらえるかという考え方に根差したところがあります。

習い始めてから、徐々に作法が身についてくるわけですが、登場する人たちはほとんどが女性となり、この映画の優しい印象にも通じるところがあります。

フェデリコフェリーニの「道」が喩えに出されますが、初見では何もわからなかった作品が年月を重ねることによって、理解できてくるようになることもあり、世界には、すぐ理解できることとすぐに理解できないことの2つがあることに気づかされます。

主人公 典子は、うまく生きてこれていないのではないかという不安感もあり、失恋や仕事、家族と多々悩みを抱えてきます。

そのため、お茶自体も辞めてしまったり、ふさぎ込んでしまったりすることもあります。

「いつやめたっていいじゃないの、ただ美味しいお茶を飲みに来れば。」

この武田のおばさんの声に色々と気づかされることになります。

そして、自分自身がお茶を教えることで新しく気づくこともあり、まだまだ成長できることを教えてくれます。

お茶という世界を中心に、周囲のことに対しての考え方や接し方を教えてくれる優しい映画であります。

その重要な点には、樹木希林のなんとも言えない存在感があってこそ成り立っているところでもあり、晩年に出演した作品としてしっかりと自己表現に繋がっている良作です。

日日是好日

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