【監督】ロバート・アルトマン
【出演】ティム・ロビンス/グレタ・スカッキ/フレッド・ウォード/ウーピー・ゴールドバーグ/ピーター・ギャラガー/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 グリフィン・ミルはハリウッドの映画スタジオの重役。ある日一通の脅迫状を受け取る。犯人の目星をつけたグリフィンは脚本家のデイヴィッドに会いにいくが、口論となりデイヴィッドを殺害してしまう。
「われこそは映画通だ」と思っている人には観てもらいたい皮肉のこもった作品
・ロバート・アルトマン監督は、第二次世界大戦時、18歳にしてアメリカ陸軍航空軍に入隊し、戦争を体験しています。その後、CMの仕事を始め、映像について学び、1957年『The Delinquents(不良少年)』で長編映画映画監督デビューをします。
・1970年にブラック・コメディ『M★A★S★H マッシュ』が第23回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、「ロンググッドバイ」「ナッシュビル」「プレタポルテ」「ショートカッツ」「ゴスフォードパーク」等多数名作を残し、2006年81歳で他界しています。
・ティム・ロビンスは、ミュージシャンと女優の両親を持ち、1984年に映画デビューをしています。
・当初は脇役でしたが、1988年の「さよならゲーム」で注目され、役者以外にも監督業も行なっている多才な俳優です。・カンヌ国際映画祭において監督賞や主演男優賞を受賞しています。
・カメオ出演が多く、ロバート・アルトマン監督の信頼感もうなずけます。
・カメオ俳優はざっくりとこのくらい居ます。
・「ピーター・フォーク」「ジョン・キューザック」「ルイーズ・フレッチャー」「エリオット・グールド」「アンジェリカ・ヒューストン」「ジャック・レモン」「マルコム・マクダウェル」「ニック・ノルティ」「ジュリア・ロバーツ」「ロッド・スタイガー」「スーザン・サランドン」「ロバート・ワグナー」「リチャード・アンダーソン」「ジル・セント・ジョン」「リリー・トムリン」「ブルース・ウィリス」「ハリー・ベラフォンテ」「テリー・ガー」「ジェームズ・コバーン」「ブライアン・トチ」「アンディ・マクダウェル」「スコット・グレン」「バート・レイノルズ」「ジェフ・ゴールドブラム」「カレン・ブラック」「ゲーリー・ビジー」「ミミ・ロジャース」「デニス・フランツ」
・物語は、映画プロデューサーが映画製作の舞台裏で起こった事件に巻き込まれることで、様々なトラブルに遭いながらも、映画業界で映画製作を行っていくストーリーです。
・序盤から長回しのシーンがあり、このオープニングは、当時としてはなかなか画期的な印象もあります。
・中盤より、事件が起こり、サスペンス調となってきますが、実際には、本作はサスペンスではありません。
・この映画の特長は、主人公を中心とした退屈な物語構成となっています。
・退屈なストーリー展開ですが、そこにこの映画の真髄があります。
・察しのいい人であれば、途中で気がつくところがあるかもしれません。
・終盤では、その点について、説明がきちんとされていますが、なかなかとツボをついたような展開となっています。
・映画業界の内幕を描いた作品ではありますが、それだけにとどまっていません。
・映画の構造を理解した上で観ることで、この作品の良さがわかります。
・NY批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞を受賞している作品でもありますが、それも含めて観ることで、本作の映画業界における意味がよくわかります。
・多くの人におすすめできる作品ではないのかもしれませんが、「われこそは映画通だ」と思っている人には観てもらいたい皮肉のこもった作品かとは思います。