【監督】ナチョ・ビガロンド
【出演】アン・ハサウェイ/ジェイソン・サダイキス/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 グロリアは、ニューヨークで食を失い、酒浸りとなっている女性。彼女は故郷に戻り、普通の生活をしていたが、韓国 ソウルに現れた怪獣の動きとシンクロしていることがわかる。
テーマを感じる要素に深さがない点が欠点というところもあり、予告編やポスターのイメージとは印象の異なる作品
・ナチョ・ビガロンド 監督は、スペインの監督で、2007年『TIME CRIMES タイムクライムス』で長編映画初監督をしています。『TIME CRIMES タイムクライムス』はデヴィッド・クローネンバーグ監督によってハリウッドリメイクが計画されています。パニック系の映画やSF系の映画が得意な監督とも思えます。
・アン・ハサウェイは、ニューヨーク ブルックリン生まれで、1999年にTVドラマでデビューしています。2001年「プリティプリンセス」で映画主演を務め、のちに多数の作品に出演し活躍している女優です。2012年のミュージカル映画「レ・ミゼラブル」で、大幅な減量に加えて髪を短く切り落とした渾身の役作りと見事な歌唱力でアカデミー助演女優賞を受賞しています。2012年に俳優のアダム・シュルマンと結婚しています。
・物語は、主人公の動きが、遠い韓国にいる大怪獣の動きとシンクロしていることで、パニックとなっていくストーリーです。
・序盤から、とある怪獣の登場から始まり、そこから急激に25年後となります。
・アン・ハサウェイ自体は、日本人に好まれるような容姿で、ヒット作も多いのですがイマイチ作品の内容の振れ幅は大きいところもあり、凡作と傑作の差が大きいような気もします。
・怪獣と動きがシンクロする女性とロボットを操れる男性が登場するということで、そういう点では、コメディ感もあるわけですが、描かれていく流れは、普通にシリアスな展開です。
・このちぐはぐ感から、リアリティが失われている印象もあり、中盤まで、いまいち乗り切れないところもあります。
・極論で言えば、B級映画として判断してよいのですが、主演のアン・ハサウェイ自体は、オスカー女優でもあり、作品の審美眼に欠けているようにも思えます。
・ただし、本作は、制作総指揮としてアン・ハサウェイも関与しており、むしろ彼女自身が大きな興味を持って制作した作品でもあります。
・物語の全容が見え始めてくるところで、アメリカでの片田舎とソウルでの都会で怪獣が動き回るというギャップに、笑いが起こるところだと思うのですが、このセンスを推すには、多少、ゆるさが必要だったように思います。
・映画「ロックダウン」でのアン・ハサウェイはユルさと直球な演出が良かっただけに、本作の変化球感は、惜しかったように思います。
・結局、テーマを感じる要素に深さがない点が欠点というところもあり、予告編やポスターのイメージとは印象の異なる作品となっています。