【日本映画】「海辺の金魚〔2021〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 花は、児童養護施設で育った18歳の女性。ある日その児童用語施設に8歳の少女 晴海がやってくる。晴海に昔の自分を重ねた花は、今までにない感情をおぼえる。

集中して観ることで、繊細な演出と伝えたいことが理解できる作品

小川紗良監督は、高校時代にモデルとして活動をし、高校行事でドキュメンタリーを撮影したことで、映像制作も行っています。2016年「イノセント15」で映画初主演をしています。2018年『聖なるもの』はプチョン国際ファンタスティック映画祭長編コンペティション部門で審査員特別賞を受賞しています。2016年「あさつゆ」で映画監督デビューをしており、短編映画を3作、3年連続ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映されています。2021年作『海辺の金魚』で長編映画監督デビューをしており、様々な映画祭で上映されています。

主題歌は、元の橋本絵莉子の「あ、そ、か」となります。

物語は、児童養護施設で育った少女が、18歳になり、そこで8歳の少女と出会う。その子に自分の過去と重ねたことで、新しい感情を覚える。

ドキュメンタリーのような作風となっており、小川紗良監督が過去にの教壇で学んでいた事より、そういう映画の作風が反映されています。

伝えたいことはすべて言葉で示してしまうわけではなく、その演技や振る舞いで表現しているところもあるので、ながらで観てしまうのはおすすめできない作品です。

なお、監督と主演が同姓の小川となりますが、偶然であり、2人は他人です。

序盤から、海辺にいる花が錯乱しているシーンから始まります。この始まり方には布石はあり、本作のポイントではあります。

花と晴海の関係を描きながら、児童養護施設の生活が描かれますが、18歳という年齢もあり、立場や振る舞いは、施設に預けられたときとは大きく変わってきているのは観ていると伝わってくるものがあります。

「いい子にしても帰れない」

「花、いい子でね」

中盤で、花の過去のことが描かれ、なぜ、児童養護施設で育ったのかがわかります。布石はあるのですが、すべてを描かないながらも、しっかりと観ていればよく分かるようにできています。

児童養護施設で過ごせるのは18歳までとなり、花自体がどう暮らしていくのかが中盤以降の展開となります。

とはいえ、母親のことが深く描かれないことで、花自体の持つ目線が明確であり、いつまでも子供ではいられないところと、自らの意思をどう取るかという点が興味深いです。

金魚というところもポイントであり、この題名の示すところが本作の主題でもあります。

本作の題名「海辺の金魚」は、監督の糸として次のように語っています。「金魚は海では生きられません。観賞魚として退化したからです。それでも、私はもう一度海に連れ出したいと思ったのです。映画の主人公が、私が、そしてあなたが、自分自身の人生を歩みだせるようにと祈りを込めて。」

「ただいま」

「おかえり」

作品自体は、76分ほどの作品ではあり、コンパクトにまとまっている作品ではありますが、集中して観ることで、繊細な演出と伝えたいことが理解できる作品かと思います。

予告編

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