作品紹介
【監督】キャリー・ジョージ・フクナガ
【出演】ダニエル・クレイグ/ラミ・マレック/レア・セドゥ/ラシャーナ・リンチ/ベン・ウィショー/アナ・デ・アルマス/ナオミ・ハリス/ジェフリー・ライト/クリストフ・ヴァルツ/レイフ・ファインズ/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 ジェームズ・ボンドは、イギリス秘密情報部のエージェント。エージェントを引退し、ジャマイカで暮らしていたが、CIAの友人の依頼により、誘拐された科学者を救出する任務につく。
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00「ダブルオー」のスパイが複数いるということも007らしい良さ
キャリー・ジョージ・フクナガ監督は、父親が日系アメリカ人三世で母親の祖父がスウェーデン系の監督です。2004年短編映画『ヴィクトリア・パラ・チーノ』で評価を得て、2009年『闇の列車、光の旅』で長編映画監督デビューをしています。TVドラマを制作することもあり、映画やTVと多彩な活動をしている監督です。
ダニエル・クレイグは、イギリスの俳優で、シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』のアガメムノン役で舞台デビューをしています。1992年『パワー・オブ・ワン』で映画デビューをし、2004年『Jの悲劇』でロンドン映画批評家協会賞英国男優賞を受賞しています。2006年『007 カジノ・ロワイヤル』で、6代目ジェームズ・ボンドを演じる事となり、「007 慰めの報酬」「007 スカイフォール」「007 スペクター」「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」とジェームズ・ボンドを演じています。
ラミ・マレックは、テレビドラマ『The War at Home』シリーズで人気となり、映画『ナイト ミュージアム』シリーズでも特徴的な配役で注目されています。2018年『ボヘミアン・ラプソディ』で、フレディ・マーキュリー役を演じ、話題にもなり、アカデミー主演男優賞受賞を受賞しています。
当初、監督はダニー・ボイルが就任していましたが、「創作上の意見の相違」で降板をしています。
物語は、英国秘密情報部を引退した主人公が、知人の依頼を受け、誘拐された科学者を救出する手助けをするストーリーです。
序盤より、とある雪国の邸宅を舞台に母娘と突然に来訪者からのシーンで始まります。
能の面をつけた人物が登場し、ちょっとホラー感がありますが、このシーンが本作のキーとなる布石が描かれます。
007は、オープニングシークエンスでしっかりと掴みがありますが、本作も同様に見応えある導入となっています。
お約束のガンサイトの演出も、ボンドの名台詞もしっかりと用意されており、過去作から続いている007らしさが踏襲されています。
本作の007は既に引退しているという設定であり、過去の007ではあまりみられない設定となっています。
ダニエル・クレイグの007シリーズは本作で5作目となりますが、この5作はキッチリと物語が繋がっており、007になったボンドがスパイとなり、活躍し、引退しているという時間の流れが明確になっています。
対するスペクターもしっかりと登場し、007シリーズとして、5作品で一つのまとまりとなっています。
引退した007が狙われてしまうというところから、本作の復讐劇が前作から続いてきているところもあるので、本作をみるk前に過去作を観ておく必要があります。
007シリーズは、25作目となり、6代目となるジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグの5作目の作品となっています。007シリーズの20%はダニエル・クレイグになるのですね。これはすごいです。
歴代のジェームズ・ボンドとしては、ロジャー・ムーア(7作)、ショーン・コネリー(6作)についで長期間出演しています。
アストンマーチンの改造っぷりも序盤からしっかりと描かれ、相当な弾丸を撃ち込まれてもしっかり防弾されているところも、また、窮地からの脱出もとても良いです。
後任の007が登場しますが、コレもまた、00「ダブルオー」のスパイが複数いるということも007らしい良さがあります。
過去5作品からの因縁が繋がっており、過去作から引き続き登場するキャラクターも多数います。
本作では、ボンドガールも登場はしますが、ちょっと今までとも違う印象があります。これもまた、今までにはなかった感じがします。
遺伝子操作をした液体がポイントとなるところがあり、このテクノロジーの超越感も007らしいのですが、COVID-19的な感じもします。
中盤以降はこの殺人薬品の設定にモヤモヤしますが、このことで終盤の大きな岐路にもなります。
2時間44分というのはかなり長いのですが、この長さを感じさせないところは、さすがです。
007自体は、特定の人物というわけではなく、新たなダブルオーが登場し始めるとは思いますので、当然シリーズとしてはまだまだ続きます。とはいえ、ダニエル・クレイグ版はこれでおしまいです。
歴代のジェームズ・ボンドの中では、個人的にかなり好きなボンドではありますが、アクションしすぎだよなぁという印象は否めません。
ティモシー・ダルトン以降のボンドは、諜報部員というよりもタフネスアクションスパイとなっているところもあり、そういう点では新たなジェームズ・ボンド像としてしっかりと確立したボンドだと思います。
次のジェームズ・ボンドが気になるところですが、トム・ハーディが有力とも言われていますが、次回作はまだまだ先ではあるので、その時まで待ちましょう。
ただし、「肌の色は問わないけど、男性が有力」と考えられているようです。女性の場合だと、ジェームズ・ボンドは名前的に変でもあるので、やはり男性になってしまうのでしょうね。(※ジェームズ・ボンドという名前は、007の本名で、偽名ではないとのことです。)