【日本映画】「キネマの神様〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】山田洋次
【出演】/野田洋次郎/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 円山郷直はゴウと呼ばれ、映画監督を目指す青年。ある日とある事件があり、映画を諦め、田舎に引きこもってしまう。それから時が経ち、ある日ゴウの書いた脚本が見つかる。酒とギャンブルにおぼれていたゴウが再び映画に関わる仕事を始める・・・。

奇をてらうことなく、しっかりとした展開は、まさしく娯楽映画

・山田洋次監督は、助監督経験を経て、1961年『二階の他人』で映画デビューをしています。1968年テレビドラマでの「男はつらいよ」を制作し、ヒットしたことで、映画で『男はつらいよ』シリーズを開始します。同シリーズは、ひとりの俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネス記録が認定されています。その他に「幸福の黄色いハンカチ 」「学校」「武士の一分 」「東京家族 」「小さいおうち 」「家族はつらいよ 」と精力的な活動をしており、90歳という高齢でも映画製作を続けている巨匠です。

・沢田研二は、17歳のときに声をかけられてローディー兼ボーカリストとなり、「ファニーズ」に参加しています。その後、「ザ・タイガース」と名付けられています。1971年に「ザ・タイガース」は解散となり、PYGに参加しています。また、同年ソロ活動を開始し、「勝手にしやがれ」「サムライ」「ダーリング」「カサブランカ・ダンディ」「TOKIO」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」など多くのヒット曲があります。俳優業としては、1967年「ドリフターズですよ!前進前進また前進」で映画デビューをし、1975年「炎の肖像」で単独主演をしています。1979年「太陽を盗んだ男」では非常に高い評価をされ、以降「水のないプール」「カポネ大いに泣く」「夢二」など、様々な作品に出演しています。

・菅田将暉は、モデルのオーディションで選ばれた後、2009年「仮面ライダーW」で、初出演初主演をしています。その後は多くの話題作に出演しています。

・永野芽郁は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインを演じており、今後の活躍に期待できます。なお、好きなお笑い芸人は「なかやまきんに君」だそうです。

・物語は、過去に映画監督として活動していた主人公が、とある事件をきっかけに挫折し、田舎に引きこもってしまうが、とある脚本が見つかったことで、再度、映画に興味を抱いていくストーリーです。

・本作は、主人公 ゴウの視点で描かれた作品ですが、過去と現在の2つの時間軸があり、それぞれの若い頃と現在の同一人物が誰なのか理解しておく必要はあります。

・登場人物はそこそこにいますが、見たままのキャラクターが多いので、難解さはありません。

・もともと、老人のゴウ役は志村けんが演じる予定でしたが、2020年に急逝してしまったため、沢田研二が代役を務めています。

・中盤は、若い頃のゴウのストーリーとなり、若いときのゴウを菅田将暉が演じています。

・絶妙なキャラクター性というところで、菅田将暉の存在感がとても良いです。

・想定どおりの展開となりますが、どストレートな恋愛模様というのもわかりやすいです。

・中盤以降、再び老人のゴウが描かれますが、ここから、前向きな展開と変わっていきます。

・終盤の写真には、ちょっとグッと来るところがあります。

・山田洋次監督作品だけあり、非常にわかりやすい作品であり、そして理解もしやすい構成でもあり、観ていてなんの不安もないところがやはり良いところです。

・奇をてらうことなく、しっかりとした展開は、まさしく娯楽映画ではあります。

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