作品紹介
【監督】草野翔吾
【出演】神尾楓珠／桜田ひより／伊東蒼／藤原大祐／窪塚愛流／瀧七海／山本美月／中川大輔／伊藤あさひ／休日課長／和田正人／asmi／飯島直子／西田尚美／原田泰造／江口洋介／
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】昼間はカフェ、夜はバーとして営業している店「Double」で働く丈流と美優が主人公。業務連絡用のノートからお互い意識するようになり、大きな玉ねぎの下（日本武道館）で初めて会う約束をする
公式サイト
現代風にアレンジされた内容なので
草野翔吾監督は、大学時代に映画研究会に在籍し、学生映画祭で数々の賞を受賞しています。2007年「Mogera Wogura」が長編初監督作としてデビューし、以降、様々な映画で監督をし、脚本も手掛けることのある監督です。
神尾楓珠は、2015年『母さん、俺は大丈夫』でテレビドラマに出演し、2017年「兄に愛されすぎて困ってます」で映画デビューをし、その後テレビや映画、舞台と幅広い活動をしている俳優です。
桜田ひよりは、子役モデルとして活躍をし、その後、オーディションに応募したことで本格的に芸能界で仕事をしています。2011年「はやぶさ/HAYABUSA」で映画デビューをし、2019年『薄暮』では声優も行っています。テレビドラマや映画と幅広く活躍している女優です。
大きな玉ねぎの下とは、日本武道館を例えた表現であり、1989年の爆風スランプ15枚目のシングルともなっています。この曲は要約すると、ペンフレンドだった男女がライブの約束をし、日本武道館で初めて合うことになりますが、女性は結局やってこなかったという失恋ソングです。
物語は、昼と夜で営業をしている店で働く男女が主人公。2人は業務連絡用のノートのみの関係だったが、徐々に意識をし始め、大きな玉ねぎの下（日本武道館）で初めて会う約束をし、ラジオでは30年前に同じような約束をしたエピソードが語られ、ザッピングしていくストーリーです。
序盤から昭和63年の時代で爆風スランプの曲がラジオから流れている状態で始まり、そこから、丈流が可でで音楽を聞いているシーンとなります。
スマートフォンを使っていることで、時代は現代になり、過去の話と現在のはなしとで本作が成り立っているのがわかります。
そこから、丈流の友達が内定祝をしているシーンとなり、そこで、別の席で丈流と美優が偶然出会います。
「あなた、何したい人なんですか？」
丈流と美優は飲み屋の隣の席同士で口論となりますが、そのときに倒れた友達のことでうやむやになります。
美優は、看護学校の見習いでもあり、応急処置ができたのですが、後日病院で美優と丈流が出会い、再び口論となります。
ここまででだいたい設定がわかるのですが、相容れない同士がとあることで、お互いを意識し始めるという流れになります。
そのきっかけは、アルバイト先のバーであり、バーが夜と昼の業務でまったく異なる事になり、その連絡は店にあるノートでのやり取りとなります。
ある意味交換日記のように会話が成り立っていきますが、現代の物語の割には意外とアナログな連絡方法でもあり、設定的には無理がある感じもしますが、こういうからくりで物語は構成されます。
丈流は大学4年で将来を決めかねており、ふらふらしている感じもありますが、連絡ノートの中だけでは本音を話しているというところで、連絡ノートの中だけで2人の関係が深まっていきます。
これは、爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」の歌詞をなぞらえているところもあり、オリジナル脚本をうまく構成できているところでもあります。
丈流と美優の年代では、「大きな玉ねぎの下で」がヒットしていた頃を知らないので、2人がこの曲を知るきっかけは、カバー曲で知ることでもあります。
基本的には、丈流と美優の物語ではあるので、この2人の関係性だけで物語がわかりやすくなっています。
同じくラジオパーソナリティの話があり、DJの昔話と丈流と美優の話がザッピングします。この現在と過去の話の切り分けは演出的に説明がちょっと足りないような気もします。
桜田ひよりは顔のパーツが大味なところもありますが、神尾楓珠も目鼻立ちがきっちりしているのでどちらも濃い感じのルックスで多少顔芸感もありますが、それはそれできっちりと観られるところもあります。
伊東蒼も出演しており、出番は少ないのですが、印象に残る雰囲気と存在感は、流石だなぁと思います。でも、個人的には「さっちゃん」にしか見えないところがあり、演じる役の新境地が必要かもしれません。
Z世代の人には「大きな玉ねぎの下で」がわからない可能性もありますが、現代風にアレンジされた内容なので、物語だけを追って観ていけば、その良さはわかるかと思います。
予告編
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