作品紹介
【監督】藤井亮
【声の出演】山口一郎/
【あらすじ】時代は1970年。日本の万博を消滅させるために2025年から奇獣が襲来する。CBG(地球防衛軍)は万博を守るためタローマンとともに未来に向かう。
【個人的評価】★★★☆☆

TV版タローマンが好きな人にはファンムービーとして、気楽に観るのが良い鑑賞方法
藤井亮監督は、クリエイティブディレクターとして活動をし、様々なCMや広告を手掛けています。2022年『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』を監督し、2025年「大長編 タローマン 万博大爆発」で映画監督デビューをしています。
山口一郎は、高校時代にバンド「ダッチマンズサンコンズ」を結成し、2007年メジャーデビューの際にサカナクションに改名をしています。2015年「DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜」で映画初出演をしています。
テレビシリーズでは、5分の番組で全10話となっており、全話で50分となっていますが、映画版は105分の内容でもあり、時間的にはかなり長い内容でもあります。
物語は、1970年の万博を消滅させるために奇獣がやってくるが、地球防衛軍はタローマンとともに未来へ向かうストーリーです。
序盤から、映画のTV放送の予告のような映像で、山口一郎が作品の説明をしてくれます。あくまで、TVで映画を放送する際の解説のようなもので、ちょっと作り込みとセンスは既にここで理解できます。
本編が開始されてから、1970年の万国博覧会の時代に奇獣を展示しており、太陽の塔も捕獲されて展示物となっています。
そこに未来の規則正しい世界からの危機があり、対抗するためにタローマンを未来に送り込もうとしますが、タローマンの考え的には一筋縄で未来に送ることはできず、とある手段で、未来に送り込みます。
2025年は昭和で数えると、昭和100年となっており、現在の2025年とは異なる世界線で、秩序に倣った世界となっています。
そのため、べらぼうでデタラメなタローマンの存在が違和感となり、また、過去からやってきたCBGのメンバーもその世界に違和感を感じつつ、昭和100年での文化の違いにショックを受けながら、過去と現在と未来の秩序を守ろうとしていきます。
内容のほとんどは昭和100年の世界が描かれ、演出自体は1970年のセンスと映像と音声で描かれるのでこの内容を長時間見せられるのは若干苦痛です。
またCBGのメンバーが主となるストーリーなので、感情移入を拒んでいたTV版のタローマンと比べ、ちょっと見ていて疲れる印象もあります。
タローマンの行動や考えを楽しむ作品でもあり、終盤はしっかりとタローマンが活躍しますが、やはり中盤まではCBGの視点で物語が進んでいる以上、ちょっとこの頭の切り替えができないと、結局内容についていけない感じもあります。
エンディング後でも、山口一郎が登場し、作品の解説と当時の感想を振り返ってくれますが、当然、架空の特撮作品なので、実際には昔に放送されていたことなんてありません。
続編等はまったくいらないのですが、映画自体もちょっと長すぎたかなぁと思うところもありますが、上映時間は105分です。
タローマンが面白かったところは、タローマン自体のデタラメなところでもあり、NHKで放送した全10話が一番まとまっていたように思います。
岡本太郎の思想と作家性を堪能する作品でもあり、映画版はやはり悪ノリ感で制作した感が否めないところがあります。
万人にはお勧めできないのですが、TV版タローマンが好きな人にはファンムービーとして、気楽に観るのが良い鑑賞方法です。
予告編
関連商品




