作品紹介
【監督】前田哲
【出演】鈴木亮平/有村架純/鈴鹿央士/ファーストサマーウイカ/安藤玉恵/オール阪神/オール巨人/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 加藤俊樹とフミ子は大阪で暮らす兄妹。兄の俊樹は妹のことを想い、日々を過ごしていた。

俊樹の幸福がどこにあるのかが悩ましいです
前田哲監督は、フリーの助監督として多数の作品に参加、1998年オムニバス映画『ポッキー坂恋物語』で監督デビューしています。
鈴木亮平は、大学で演劇サークルに入り、そこで役者の道を進むことを決断します。2006年『レガッタ~君といた永遠~』で俳優デビューをし、2007年『椿三十郎』で映画初出演をしています。その後、2014年のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインの相手役を務め、2018年には、第57回NHK大河ドラマ『西郷どん』で大河ドラマ初出演にして初主演をしています。テレビや映画で活躍をし、存在感のある演技に定評があります。
有村架純は、2010年に『ハガネの女』でドラマ初出演をし、その後、連続テレビ小説 『あまちゃん』で小泉今日子演じる主人公の母親の若かりし頃を演じて人気となり、高感度の高い役者です。
本作は、2005年第133回直木賞を受賞した朱川湊人の小説「花まんま」が原作となっています。朱川湊人は2013年「赤々煉恋」が映画化されており、本作は2作目の映画化となっています。
物語は、主人公の兄妹が大阪で暮らしながら、暮らしてきたが、妹の結婚により妹の抱える秘密が明らかになるストーリーです。
序盤から、トラックに乗った両親が長男の俊樹にこのあとのことを頼まれ、妹を守っていくことが描かれます。
「俊樹、どんなときでも妹のことを守ってやらなあかんねん。」
そのことが夢だということがわかりますが、俊樹は妹といっしょに暮らしながら、日々生活をしています。
序盤から中盤まで、フミ子の結婚の話となりますが、いまいち物語のつながりがわかりにくいところがありますが、これは、後々の布石でしっかりと説明があり、わかりやすく作られているので問題ないかとおもいます。
妹のフミ子はすでに結婚が決まっており、フミ子の結婚を中心として、兄妹の関係が描かれていく展開です。
有村架純と鈴木亮平の兄妹という設定的には、どちらもしっかりしている印象があり、不安を感じないところはあります。
大阪の東大阪周辺はロケ地となっており、2人が住んでいる場所も石切付近恩智川沿いとなっています。
序盤過ぎから、俊樹とフミ子の子どもの頃の話となり、フミ子の過去にどういうことがあったのがわかってきます。
普通の兄妹の人情物語のようにも見えますが、実際には、ちょっと非現実的な設定もあり、その点をどのように受け取るかで本作の感想が変わるかと思います。
フミ子の結婚相手の中沢太郎は、鈴鹿央士が演じていますが、カラスと会話できるという特技が地味に印象的でもあり、展開の一つのきっかけになる点も良いです。
ベタなところではありますが、フミ子の結婚のときの俊樹のスピーチには、グッと来るところはあります。
主人公の俊樹の視点と、彦根に住む人の視点とを比較して観ると、終盤の印象は感じ方がちょっとかわるとは思います。
ちょっと気持ちを揺れ動かす話といえば確かにそうですが、各登場人物のエゴを考えると、それぞれの自己満足感も見えてしまうところもあります。
あまり深いことを考えずに観るのが良いですが、フミ子の物語が中心となっているので、俊樹の幸福がどこにあるのかが悩ましいです。
映画オリジナルのキャラクターの駒子をファーストサマーウイカが演じており、「花のたましい」というタイトルで、サイドストーリーが小説化されています。
予告編
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