作品紹介
【監督】前田哲
【出演】松山ケンイチ/長澤まさみ/鈴鹿央士/坂井真紀/戸田菜穂/峯村リエ/加藤菜津/やす(ずん)/岩谷健司/井上肇/綾戸智恵/梶原善/藤田弓子/柄本明/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 大友秀美は、検事としてとある事件を担当する。その事件は、訪問介護センターと民家から死体が発見され、介護センターの介護士 斯波宗典に容疑がかかる

落ち込んでいるときに観る作品ではないのでご注意を
前田哲監督は、フリーの助監督として多数の作品に参加、1998年オムニバス映画『ポッキー坂恋物語』で監督デビューしています。
松山ケンイチは、2001年にオーディションに合格しモデルデビューをしています。その後、2002年『ごくせん(第1シリーズ)』でテレビドラマデビューをし、2003年『アカルイミライ』で映画初出演をしています。役作りにこだわりのある俳優です。
長澤まさみは、東宝「シンデレラ」オーディションで史上最年少の12歳でグランプリを獲得し、その後、映画『クロスファイア』で映画デビューしています。ティーン雑誌『ピチレモン』の専属モデルとしても活躍し、2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロイン役としても話題となり、多彩な演技で注目されている女優です。
物語は、とある民家で老人が殺害され、さらに、介護センターの所長も殺害されたことでとある人物が容疑にかけられます。その人物は殺害でなく救いのために起こしたということを主張し、事件の真相に翻弄されていくストーリーです。
序盤から、とある民家で死体が発見されるシーンから始まり、そこで検事の大友秀美が事件現場をみます。場面は代わり、とある人の家に介護センターのスタッフが3人訪問するところが描かれます。
介護士と検事の周辺が描かれつつ、物語の焦点でもある殺人事件の関連性がわかり始め、介護センターの斯波宗典に容疑がかかり、捜査となっていきます。
本作は、2013年に刊行され、第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品を受賞している葉真中顕の小説が原作でもあり、社会性のある内容となっています。
大友秀美と斯波宗典による対話が物語の流れとなりますが、犯人探しが主題でなく、介護がかなり広まっている高齢化社会の日本において、介護をする側とされる側の問題を浮き彫りにしつつ、介護される側だけでなく、介護する側にも苦しみや苦悩があり、その答えを考えていく展開ともなります。
老人介護に関しての問題提起をしていながらも、特に明確な解決方法があるわけではないので、色々考えさせられるところはあります。
他人事としてはいけないところはありますが、とはいえ、リアルな問題に近いところはあまり直視したくないところもあります。
作品としてはメッセージ性と問題提起のある内容で見応えはあるのですが、娯楽作ではないので、精神的に余裕のあるときに観るのをおすすめします。落ち込んでいるときに観る作品ではないのでご注意を。
予告編
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