【洋画】「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない(2024)」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【声の出演】ベン・ホワイトヘッド/ピーター・ケイ/ローレン・パテル//ダイアン・モーガン/アッジョア・アンドー/マズ・カーン/レニー・ヘンリー/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ウォレスは発明家として、愛犬のグルミットと暮らしている男性。ウォレスの新たな発明品「スマートノーム」を完成させるが、とある問題で暴走をし始める。

荒削りでも作品を作る熱量を感じ取れるものであれば、良かったのかと

ニック・パーク監督は、国立映画テレビ学校在学中に、『チーズ・ホリデー(A Grand Day Out)』を制作し、1989年『チーズ・ホリデー』と『快適な生活』がアカデミー賞短編アニメーション部門に同時ノミネートされています。以降、「ウォレスとグルミット」シリーズを制作しており、2000年には初の長編の『チキンラン』を監督しています。

物語は、発明家の主人公が、新たな発明品「スマートノーム」を完成させるが、次々と暴走をし始め、その事件の黒幕には過去に関わりのあった犯罪者がいたというストーリーです。

配信サービスの作品としては、2008年「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」に継いでの作品でもあり、長編シリーズでは、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」以来、およそ20年ぶりの2作目の映画となります。

予告編で「ペンギンに気をつけろ!」の犯人役が登場しており、過去作との関連があります。なお「ペンギンに気をつけろ!」は、「ウォレスとグルミット」シリーズの最高傑作とも思うので、ぜひ鑑賞してから、本作を観るのが良いです。

本作は、ウォレスとグルミットシリーズの最新作であり、「チーズ・ホリデー」「ペンギンに気をつけろ!」「ウォレスとグルミット 危機一髪!」「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」に続いての6作目の作品となります。

序盤から、数年前のことが描かれ、そこでウォレスが警察にお尋ね者を捕まえたことを電話しているところから始まります。

捕まえた相手は、「ペンギンに気をつけろ!」で捕まえたときの話であり、フェザー・マッグロウが刑務所に入れられるところが描かれます。

本作での関係とは後々わかってきますが、本作を見るときには「ペンギンに気をつけろ!」を観てからのほうが良いです。

そこからいつもながらの曲でオープンニングとなり、ウォレスとグルミットのお約束のようなヘンテコ発明で朝食を食べるシーンまで描かれていきます。

このノーテンキとも言える発明も、ウォレスとグルミットの見どころでもあり、大抵のところはシリーズのお約束でもありますが、徐々に物語の本題に入っていくので物語の進め方はいつもながらのウォレスとグルミットです。

結局、グルミットが有能なところがあり、事件を解決していくところになるのですが、それもまた、ウォレスとグルミットです。

今回のヘンテコお邪魔キャラは「ノーボット」というノームような形のロボットになります。よかれと思って動いているロボットですが、特に充電をするときの動作は、

ハッキングのときの指の動きはまさしくコントではありますが、こういうテイストも、ウォレスとグルミットです。

観ていて思うのは、コマ撮りのクレイアニメとして始まったウォレスとグルミットですが、思うと、もう手作りの粗さがなくなっているので、果たしてウォレスとグルミットの魅力はなんだったのかと思います。

「ウォレスとグルミット 危機一髪!」のときにもすでに感じていたのですが、クレイアニメの良さを考えれば、どこかに手作りの要素があるのが魅力にも思います。CGが映画に使われるようになり、表現力が上がった反面、本作の「ウォレスとグルミット」も実はCGですと言われても、何も疑問も湧かないわけで、むしろCGなんでしょと見える感じもします。

作品自体は好きな作品ではありますが、作品のストーリー性はさほど高度なところでもなく、むしろ必要以上にベタな物語ではあるので、そのベタさと映像の細かなマニアックなところが薄れてしまっているのは惜しいところです。

ベタな物語でもありながら、言葉や会話での説明をして物語が進行する点もウォレスとグルミットの良さが無くなっており、ウォレス以外は喋らないところに本来の魅力があった気がします。

完成度が高くなるとつまらなくなるという現象は様々な作品で起こりますが、荒削りでも作品を作る熱量を感じ取れるものであれば、良かったのかと思います。

作品は好きなんだけど、作品を作るたびに理解力を問わない作品となってしまっているところが惜しいところです。

予告編

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