作品紹介
【監督】荻上直子
【出演】堂本剛/綾野剛/吉岡里帆/森崎ウィン/戸塚純貴/おいでやす小田/濱田マリ/柄本明/早乙女太一/片桐はいり/吉田鋼太郎/小林聡美/
【あらすじ】主人公 沢田は、美大卒業をしながらも、アートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働いている男性。ある日、自転車事故をして右腕を怪我したことで、職を失ってしまう。部屋にいた1匹の蟻に導かれ、描いた作品が人気となっていく。
サブスクで観る
今回の作品も高い完成度が目の当たりとなるところに感じます
荻上直子監督は、1994年に渡米し、映画を学び、帰国後、2001年『星ノくん・夢ノくん』で自主映画を制作しています。その後、2003年『バーバー吉野』で長編映画監督デビューをし、2006年『かもめ食堂』で高い評価を得ています。出産を経て、2017年『彼らが本気で編むときは、』で映画監督に復帰をし、以降、コンスタントに作品を発表しています。
堂本剛は、1991年にジャニーズ事務所に入所し、1993年「KinKi Kids」を結成し、活動をしています。1988年「夕空晴れて」で映画デビューをし、その後、「シュート!」「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」などの映画に出演しています。テレビドラマでも活躍をし、2002年からはソロ活動をし、アーティストとしても活躍しています。
綾野剛は、「仮面ライダー555」で役者デビューをし、中野裕之監督の「全速力海岸」で主演にもなります。その後、2007年「Life」で長編映画初主演をし、音楽監督も兼任しています。2014年『そこのみにて光輝く』では、様々な賞を受賞し、『コウノドリ』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64 -ロクヨン-』『怒り』『日本で一番悪い奴ら』など、話題となる作品に出演し、演技の幅を広げています。
物語は、美大卒業をした主人公が、アートでなかなか成功できず、事故で職を失ってしまうも、自宅にいた1匹の蟻により描いた「◯」の作品が人気となり、徐々に「◯」にとらわれていくストーリーです。
荻上直子監督作品は、近年非常に完成度の高い作品を作り出しており、今作も、荻上直子監督が脚本も手掛けています。
音楽は、堂本剛のソロプロジェクト「.ENDRECHERI.」が担当しており、初の映画音楽を手掛けています。
堂本剛は、27年ぶりに映画単独主演を演じており、荻上監督とプロデューサーの長年のオファーを受けて、今回主演を演じています。
アートの世界で成功できなかった主人公が、利き腕を怪我をしてしまい、作品作りができなくなるも、1匹のアリがの動きに合わせて丸を描いたことで、その丸が作品として評価され、アーティストの道がひらけていく不思議な内容です。
堂本剛の近年のアーティスト活動にも通じるところはあり、映画ながらも、ある種、堂本剛自身の作品にも思えます。
とにかく、荻上直子監督の作品は2017年の監督復帰後、異常なほどの完成度の高い作品を連発しているところもあり、今回の作品も高い完成度が目の当たりとなるところに感じます。