作品紹介
【監督】ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソン
【出演】シャメイク・ムーア/ヘイリー・スタインフェルド/ジェイク・ジョンソン/イッサ・レイ/
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 マイルスは、スパイダーマンとしてマルチバースを行き来できる世界の住人。あるユニバースで他のスパイダーマンが結集している場面に出会う。愛する人と世界を同時に救えないながらも、それでも同時に救おうとするマイルスに無敵のスパイダーマンが現れ、スパイダーマン同士の対決が始まる。
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音楽の良さは本作の魅力を数倍に引き上げていることは間違いない
監督は、前作の ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマンから変更しており、ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソンの3名が担当しています。
シャメイク・ムーアは、前作「スパイダーマン:スパイダーバース」でモラレス役を継続して行っています。
本作は新型コロナウイルスのために2022年の公開から延期されており、2023年にやっと公開されることになります。
延期が行われた反面、続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が用意されていることがすでに明らかになっており、2024年に公開予定となっています。続編は、本作の監督が引き続き監督をする予定となっています。
物語は、マルチバースを元に戻したマイルスが、マルチバースを行き来できるようになり、他のユニバースで多くのスパイダーマンが集まっている場面にあう。愛する人と世界のどちらかしか救えないながらも、どちらも同時に救おうとしていくストーリーです。
序盤からマイルスの話を、グウェンが語り、前作の内容をある程度説明しますが、ほとんど解説でもないでの、当然ですが、前作の「スパイダーマン ザ・スパイダーバース」を見たほうが良いです。
序盤の物語は、グウェンの感じている孤独感や悲しみと過去のマルチバースの世界で悩んでいるところが描かれていきます。
アニメ描写が相変わらず新しく、CGを使いながらのアニメーションは前作に引き続き、新しい見せ方でアニメが描かれています。
バルチャーとのバトルも非常に新しいアニメ感で、もう序盤だけであっという間にこの世界観には引き込まれます。
本作ではもうマルチバースを説明する必要がないので、そのマルチバースの概念よりも、前作であったマルチバースの後片付けともなります。
序盤は、前作からマルチバースが閉じられたことでマイルスも孤独な生活をしていますが、再び、グウェンがマルチバースからマイルスに会いにくることになり、お互い気になっている関係であることがほんのり描かれます。
とりあえず、アクションアニメ映画ですが、音楽が非常によく、心地よい選曲は前作同様にこだわりを感じるところでもあります。
マルチバースの伏線として、そのマルチバースの世界の数字が振られています。よくよく見るとわかります。
マイルスとグウェンが他の世界に行ったことで、様々の世界でのスパイダーマンがまたまた登場してきます。中国系やイギリス系、インド人など様々なスパイダーマンが出てきますが、まさにコメディだったりマルチバースの世界観だったりと、設定が複雑っぽいのですが、とても観やすくできています。
「スポット」という悪役が各マルチバースを行き交っていくので、世界を移り変わりながら、スパイダーマンの種類も世界も多数登場してきます。
このマルチバース自体は、前作のさらに拡張したところでもあり、本作の前に絶対に前作を観ておく必要があります。
中盤で、スパイダーマンだらけの世界にたどり着き、「NUEVA YORK EARTH-928」という説明がサラッと行われます。
前作以上にマルチバースをうまく描いており、とても独特ながら、難解でもなく、わかりやすくサラッと描いているところは演出の優れたところでもあります。
「スパイダー・ソサエティ」に関わりながら、スパイダーマンである宿命が徐々にわかり始め、ただのアクションアニメにとどまらないストーリー展開となります。
後半は、徐々にスパイダーマンとマルチバースの結びつきを深めながら、マルチバース全体を巻き込んだ騒動となっていきます。
序盤で散々とでていたとある要素が、終盤になり、重要なことであったことがわかってくる流れも、コメディ要素からシリアスな流れに変わってくるというところも、非常に違和感なく、物語で惹きつけてくるところは見事しか言いようがないです。
「僕は、マイルス・モラレス」
「人生は自分で決める」
モラレスだけでなく、グエンの物語でもあり、ヒーローだけど、ヒーローだけでではとどまらない生身の個人の問題の描き方は普通のアクションアニメとは違います。
アニメーションながら、グエンの表情の表現は、アニメーションながらも、なにかを超えている感じもします。それは、リアリティではない表現で超えているところもあり、本作のすごいところでもあります。
「ここにスパイダーマンはいない」
終盤30分の展開は、アニメ映画として馬鹿にできないほど物語の深さがあります。これはぜひとも観てもらうのが良いです。
3部作の2作目というところもあり、盛り上がりも必要ですが、次につなげる物語の魅力も持ち合わせているところは、バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2を超えるところはあるかもしれません。
物語の結末は観るしかない作品ではありますが、こんなに物語性と観やすさを両立させている作品は、ないんじゃないか?とも思えるくらいに盛り上げ方が素晴らしいです。
この素晴らしいところは、音楽の使い方にも特長があり、音楽の良さは本作の魅力を数倍に引き上げていることは間違いないです。
予告編
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