作品紹介
【監督】山崎貴
【出演】神木隆之介/浜辺美波/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】舞台は戦後の日本。敗戦後で焦土となった日本に追い討ちをかけるように巨大な怪獣ゴジラが襲来する。
サブスクで観る
ちょっと過大評価されてしまっている作品では
山崎貴監督は、「スターウォーズ」「未知との遭遇」に影響を受け、映画でのミニチュア制作から、SFXやデジタル合成を担当するようになる。その後、2000年「ジュブナイル」で長編映画監督デビューをし、2005年「ALWAYS 三丁目の夕日」で高い評価を得ています。
神木隆之介は、3歳の頃から、CMに出演し、その後子役としても声優として様々な役をこなし、安定感のある役者です。
浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。
日本映画として1954年に公開されたゴジラの生誕70周年記念作品です。本作はゴジラシリーズの30作目の作品でもあります。
物語は、戦後の日本のどん底の状況下に、突如ゴジラが現れ、さらに追い討ちがかかっていくストーリーです。
序盤から、とある島で恐竜と戦う日本兵士の姿が描かれます。戦うというか、襲われているという表現のほうが良く、ゴジラの起源になるところでもあります。
時代設定は、戦後の日本でもあり、戦争で敗戦となった日本の貧しいところが描かれます。
主人公 敷島浩一は元兵士というところでもあり、とある目的のために海に出かけ街を守る仕事をします。ヒロインでもある大石典子と出会い、孤児の少女とともに生活をしていく流れです。
日々の生活と突如現れる巨大怪獣ゴジラの物語でもあり、今までのゴジラシリーズにある、地球防衛軍的な要素は皆無で、1954年版の初代ゴジラのような描かれ方をしています。
吉岡秀隆が出演をしているのは別に構わないのですが、「ALWAYS 三丁目の夕日」の頃とさほどわからない演技と印象でもあり、なんとなくモヤモヤします。
銀座の街がこれだけ破壊されてても逃げ惑う大石典子のシーンでのコンクリートに何一つ瓦礫もゴミもない時点で、結局CGというところにしか凄さがないところに気付かされるので、物語とCGの間に大きな溝を感じてしまいます。
神木隆之介も浜辺美波も演技が下手というわけではないのですが、演出自体に人間ドラマに興味がないんじゃないかと思ってしまうところもあり、その点が全体的に物語が弱いと言われる点なのかもしれません。
戦後で「0」から「マイナス」になるという触れ込みではありますが、やはり、登場人物のシャツや包帯など、あまりにもきれいなところには、リアリティをあまり感じないところがあります。
「戦争に行ってないってことはよ、とても幸せなことなんだぞ」
終盤は、いままでのゴジラ映画とはちょっと異なる展開でもあり、このあたりが、人間ドラマも含んだドラマと言われる所以かと思います。
「ゴジラ−1.0」のCG制作は、ハリウッドのCG制作よりも低予算で人員も非常に少ないとのことですが、少ないメンバーのチームで作り上げることで、CGに関しては方向性がチグハグにならなかったのが幸いしているのかと思います。
最後のとある人の首筋のアザが憶測されていますが、続編を作るということはないんじゃないかなぁとは思います。
色々と映画祭で評価された作品ではありますが、ちょっと過大評価されてしまっている作品ではあるので、多少気を緩めて観たほうがよい作品です。