【監督】伊藤ちひろ
【出演】坂口健太郎/齋藤飛鳥/浅香航大/磯村アメリ/茅島成美/不破万作/津田寛治/井口理/市川実日子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 未山は、人々を癒やす特殊な能力を持った青年。ある日、謎の男が見えるようになり、そのことで自らの過去と向き合っていく。
観る人により解釈が変わってくる作品ではありますが、映像から読み取る読解力が必要な作品
伊藤ちひろ監督は、行定勲監督に誘われ、2000年『Seventh Anniversary』に脚本家としてデビューしています。その後、「世界の中心で、愛をさけぶ」「クローズド・ノート」「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」「東のエデン」などの脚本に参加し、2023年「サイド バイ サイド 隣にいる人」で監督デビューをしています。
坂口健太郎は、『MEN’S NON-NO』でモデルとして活躍後、役者としても活動をし、TVドラマや映画など多くの作品に出演しています。
齋藤飛鳥は、小学6年のときに不登校になるも、2011年乃木坂46の1期生オーディションに合格し、乃木坂46のメンバーとして活動しています。3rdシングル『走れ!Bicycle』で初のセンターを務め、2016年15thシングル『裸足でSummer』で初めてシングル表題曲でのセンターを務めています。日本人とミャンマー人のハーフでもあり、8頭身という小顔の持ち主でもあります。日本一ブログのタイトルが長いことでも有名で、ほぼ文章のようなタイトルになっています。2007年「さくらん」で映画に初出演をし、以降テレビドラマや映画での活動もしています。
物語は、特殊な能力を持つ主人公の青年が、なぞの男を見えるようになり、そのことで過去の自分と対峙していくストーリーです。
序盤から、バスにのる未山がとある所に向かいますが、ちょっと不思議なところが、隣にいる男です。
前後関係がよくわからない未山ですが、見ていくうちにわかります。
時々現れる隣りにいる男が気になりますが、見ていくうちにわかるとは思います。
説明を都度都度行われる作品ではないので、行間を読むような作品ではあります。
特に詳しい説明がないので、未山や同居している詩織と美々の関係もいまいちわからないところがありますが、淡々と物語が進む中で関係性がわかってきます。
中盤で斎藤飛鳥演じる女性が登場します。明確な説明がありませんが、過去の回想と現在の行動を見ていると何がどうなっていたのかがわかってきます。
主人公視点の物語ではあるので、途中で、東京で活躍するミュージシャン・草鹿と莉子の関係もわかり始めます。
この中盤のエスカレータのシーンが本作のキーでもあるので、キッチリと観ておくのが良いです。
子供の美々が生まれた頃の話を4人でしますが、生まれてきたときのことを思い名付けたところになります。
実はこの子が本作のキーになっているのだと、徐々に気付かされます。
終盤に、迷子の牛が出てくるシーンがありますが、このシーンをどう解釈するのかで本作の描いてきたことが何なのかがわかります。
本作は、生と死を描いているところがあり、誰が死んでいる人で誰が生きている人なのかがちょっと曖昧なところがあります。
この生と死の存在感が本作の要となり、明確な答えは、特に示されていないのですが、行動と状況の行間を読み取っていくところになります。
難解な要素があり、わかりにくいところがありますが、生と死を色々なメタファーで描いているところがあり、観た人がどのように感じたかというのが本作の感想となります。
観る人により解釈が変わってくる作品ではありますが、映像から読み取る読解力が必要な作品なので、じっくりと鑑賞する作品はあります。