【監督】原恵一
【出演】當真あみ/北村匠海/吉柳咲良/板垣李光人/横溝菜帆/高山みなみ/梶裕貴/麻生久美子/宮﨑あおい/芦田愛菜/藤森慎吾/滝沢カレン/矢島晶子/美山加恋/池端杏慈/吉村文香/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 こころは、学校で居場所をなくし、引きこもりの生活をしていた。ある日、部屋の鏡が光り、吸い込まれるように鏡の世界に入る。そこには6人の見知らぬ中学生と「オオカミさま」という人たちがいた。
このまとめ方はしっかりと映画を見続けた人がわかる内容であり、心に響いてくるところになります
・原恵一監督は、「クレヨンしんちゃんシリーズ」や「カッパのクゥと夏休み」「カラフル」を手掛け高い評価を得ています。
・當真あみは、2020年にスカウトされ芸能界デビューをしています。2022年1月『妻、小学生になる。』でドラマ初出演をしています。2022年「いつも難しそうな本ばかり読んでる日高君」で映画デビューもしており、「かがみの孤城」では声優もしています。
・北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしており、2017年『君の膵臓をたべたい』で注目され、2020年『とんかつDJアゲ太郎』では、映画初単独主演をしています。非常に多くの作品で主演を演じており、役者としての活動も増やしてきています。
・原作は、2017年に刊行された辻村深月の小説となります。2018年には本屋大賞にも選ばれています。
・主題歌は、優里「メリーゴーランド」です。
・物語は、引きこもりの主人公が、ある日、鏡の世界の中に入り、そこで秘密の鍵を手に入れると願いが叶うというストーリーです。
・序盤から、主人公 こころが引きこもりから立ち直ろうとして親とともにカウンセリングをするシーンからはじまります。
・親子3人で暮らしている家庭であり、娘の問題に、表には出さないけど、困っているところなんだと思います。
・「行かないんじゃない、行けないのに・・・。」
・心の問題を抱えているのかと思うのですが、その理由は明確には示されないまま、物語が進みます。
・そこから、光っている鏡に吸い込まれ、鏡の世界に入り込み、本作の本筋になっていきます。
・本作は設定があるので、かがみの孤城での前提条件はしっかりと説明してくれます。
・中盤以降、学校でいじめ状況が描かれ、精神的に病んでしまうところに至るのはわかります。
・「学校に来たんじゃない、友達に会いに来た」
・こころが学校に通おうと決意をして、学校に行きますが、主人公に感情移入をするような流れで物語が描かれているので、学校へ登校する怖さがわかります。
・心の拠り所となるのが、かがみの孤城になってしまっているのですが、物語が進むたびに、主人公こころに感情移入をしていく流れなので、疑心暗鬼になってしまうような印象を受けます。
・かがみの孤城にいる7人は、それぞれに心に闇を抱えていますが、それぞれのキャラクターを丁寧に描いているので、なおのこと主人公目線で物語にのめり込めます。
・「たかが、学校のことなのにね」
・とある絵から、かがみの孤城の謎を解くことができますが、そこからもまだ物語は続きます。
・7人のキャラクターをそれぞれ描いてきているからこそ、終盤の展開は、それぞれのキャラクターの苦悩が徐々にわかり始めます。
・なにかがきっかけで心が変わってしまうこともあり、現実では逃げたいことは多々あるのかと思います。
・現実での問題をどう切り抜けていくのかは、本人次第でもありますが、本人だけの力ではどうにもならないところもあり、観ていてそれぞれのキャラクターのツラさはわかります。
・終盤の物語は、観てもらうのがよいです。このまとめ方はしっかりと映画を見続けた人がわかる内容であり、心に響いてくるところになります。
・多少、辻褄合わせ感がありますが、複雑な物語をきちんと布石も用意しながら描かれており、きれいにまとまっている作品とは思いますが、主人公が悩みを脱却する点はちょっとピンと来なかったところもあります。