【日本映画】「激怒〔2022〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/森羅万象//影山祐子/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 深間は、激怒すると暴力を振るう刑事。数多くの不祥事のため、アメリカで怒りを抑える治療を受けるも、治療半ばで日本に呼び戻される。戻ってきた日本は、街の雰囲気が変わり、安全・安心の蔓延する街となっていた。

激怒

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なんとなく「時計じかけのオレンジ」的な感じも受けますが、

・高橋ヨシキ監督は、フリーランスのライター/デザイナー活動をし、様々な映画に関わってきています。2010年「冷たい熱帯魚」で共同脚本に関わり、その後、2022年「激怒」で映画監督デビューをしています。

・川瀬陽太は、デザイン関連の仕事を志し、その後、俳優に転身しています。1995年「急にたどりついてしまう」で映画デビューをし、1996年「ラバーズ・ラヴァー」では主演を務めています。その後、非常に多くの作品に出演しており、TVや映画など幅広く活躍している俳優です。

・物語は、怒りにより暴力を振るうことをしてしまう主人公の刑事が、海外で怒りを抑える治療を受ける。その後、帰国した日本は、今までと違う「安全・安心」の街となっていた。

・序盤からタイトルバックとなりますが、このタイトルバックはかっこいいです。

・主人公の深間は、暴力刑事でもあり色々とギリギリな感じでもあり、まともさ感が薄いです。

・ただ、根底には刑事という正義感があるので、悪事を働く可能性のある世界の間にいる感じで描かれます。

・「孤狼の血」の大上刑事のような雰囲気があり、この点では、普通の刑事モノとは違う興味のでるストーリーです。

・「なんでおめえが仕切ってんだよ」

・ポールダンスバーで、スタッフに因縁をつけている客に対しても、観ていてスカッとするところはあります。

・とは言っても、さすがにやりすぎでもあり、このやりすぎなところをどう更生するのかというところは、本作のテーマともなります。

・ある種「時計じかけのオレンジ」感もありますが、更生シーンは、演出のみでセリフはなく、淡々と更生をしていくシーンが描かれていきます。

・そこから、日本に戻り復職していきますが、日本の社会自体は大幅に変わっています。

・嘘のような夢のようなそんな世界となっており、深間のいままでいた日本とは様変わりしています。

・その点で、本作はちょっと一癖ある雰囲気が出てきます。

・変わった日本社会は、正義と悪が入れ替わったような印象もあり、正義のために暴力を振りかざすという世界となっています。

・序盤の印象と比べて、この社会のほうが異様にすら思えます。

・そんな感情のない暴力が見え隠れするなかで、中盤以降、色々と隠された事実があるようなそんな展開となってきます。

・なんとなく「時計じかけのオレンジ」的な感じも受けますが、変わったのは人ではなく、街であり、行き過ぎた正当防衛と正義のために暴力がはびこる世界となっています。

・「安心、安全、富士見町」

・終盤、体制側と深間の間で血みどろな戦いとなりますが、このあたりは、やはりB級感もありつつも、こういう要素が肝心なところもにもなります。

・序盤から、主人公に感情移入しづらい点もありますが、中盤から、主人公と同様に変わった日本に対する違和感にモヤモヤする展開となり、主人公視点の内容となるので、理解はしやすいかと思います。

・暴力映画のように見えて、ちょっと不条理な世界に身をおいた設定が面白いところです。

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