【監督】サイモン・キンバーグ
【出演】ジェシカ・チャステイン/ルピタ・ニョンゴ/ペネロペ・クルス/ダイアン・クルーガー/ファン・ビンビン/セバスチャン・スタン/エドガー・ラミレス/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】各国で活躍する敏腕エージェントが国境を超えて、コードネーム「355(スリー・ファイブ・ファイブ)」と呼ばれるチームを結成し、国際テロ組織と対決していくストーリーです。
演技的に認められたあとの息抜きとしての出演
サイモン・キンバーグ監督は、2005年『トリプルX ネクスト・レベル』で脚本を手掛け、その後、『Mr.&Mrs. スミス』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』などの脚本を担当しており、製作にも関わるようになります。2019年「X-MEN:ダーク・フェニックス」で初監督をし、活動の幅を広げている監督です。
ジェシカ・チャステインは、2008年『Jolene』で映画デビューをし、2011年「ツリー・オブ・ライフ」「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」2012年「ゼロ・ダーク・サーティ」で高い評価を得ています。2021年「タミー・フェイの瞳」でアカデミー主演女優賞を受賞したオスカー女優です。
「355」は、18世紀のアメリカ独立戦争時代に実在したパトリオット側の女性スパイエージェント355から取られています。
物語は、アメリカ、ドイツ、イギリス、コロンビア、中国と様々な国から集められたエージェントたちがチームを結成し、国際テロ組織と対決していくストーリーです。
序盤より、とある地域でのテロ組織を活動が描かれます
その後、フランスでの話となり、各国のエージェントが結集し、テロ組織と対峙していくことになります。
アクション要素もしっかりとあり、緩急のある展開なので、退屈な感じにはならないです。
ジェシカ・チャステインが主な中心人物となるのですが、ペネロペ・クルスのほうが美人感があり、知的な印象もあるので、355のメンバーのそれぞれのキャラ立ちが弱い感じもします。
なお、ジェシカ・チャステインが制作にも関わっており、主要キャラ5人のギャラは同額としているようです。
色々な人種が活躍するという点は、面白いのですが、人種的な配慮を考えながらの作品制作と考えてしまうと、やはり不自然ではあります。
映画やドラマで、様々な人種に機会を与える考えはわからないことはないのですが、実際の社会との乖離がまだまだあり、違和感を感じざるを得ません。啓蒙しているという点では理解できますが・・・。
スパイモノといえば、特殊なガジェットなのですが、そういう要素はちょっと薄いのが残念です。
そういう意味ではリアリティに寄せた感がありますが、映画という点では、やはり、ミッション・インポッシブルや007のようなちょっとありえない感くらいのぶっ飛び方があっても良かった気もします。
とはいえ、演技が巧みな俳優のキャスティングとなっているので、見応えはあります。
なんとなく思うところが、「賞レースで評価された俳優」が受賞後に、妙なアクション映画に出演してしまう現象は本作でもあるような気もします。
やはり、演技的に認められたあとの息抜きとしての出演なのかもしれません。