作品紹介
【監督】今泉力哉
【出演】志田彩良/井浦新/鈴鹿央士/中井友望/鎌田らい樹/遠藤雄斗/石川恋/鈴木咲/海沼未羽/菊池亜希子/西田尚美/石田ひかり/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 陽は、父の直と2人ぐらしをしている高校生。父が再婚をしたことで、連れ子の4歳の妹との4人家族の生活となる。
サブスクで観る
学校の友達や実の母親のことなどが丁寧に描かれており、とても観やすい作品
今泉力哉監督は、映画専門学校 ENBUゼミナールの職員として、山下敦弘のワークショップアシスタントなどを経験。その傍ら、自主制作映画を作っていましたが、2010年の「たまの映画」で長編デビューをし、『パンとバスと2度目のハツコイ』などさまざまな映画を手掛けています。
志田彩良は、2013年『ピチレモン』で専属モデルとしてデビューをし、2014年「サルビア」で映画デビューをし、2017年『ひかりのたび』で長編映画デビューをしています。テレビドラマや映画など活動を幅を広げており、今後の活躍に期待できる女優です。
井浦新は、大学時代にスカウトされモデル「ARATA」として芸能界入りし、1998年には、独自のブランド「REVOLVER」を立ち上げています。1999年「ワンダフルライフ」で映画初主演をし、その後2002年『ピンポン』で人気を得ています。2005年には「メガネ男子」で「好きなメガネ男子」1位となっています。
鈴鹿央士は、『先生!、、、好きになってもいいですか?』の映画の撮影時にエキストラ参加していたところ、広瀬すずの目に止まり、スカウトされています。その後、2018年「第33回 MEN’S NON-NO 専属モデルオーディション」でグランプリを獲得し、2019年『蜜蜂と遠雷』で映画初出演しています。その後映画やテレビなど幅広い活躍をしている俳優です。
原作は、窪美澄の短編小説『水やりはいつも深夜だけど』の一遍となっています。
物語は、父と娘の二人暮らしの家族で生活している女子高生が、様々な出来事に悩みながらも生活していくストーリーです。
序盤から、娘と父親の2人暮らしの状況が描かれますが、その前に、志田彩良の素朴感がとても魅力的でもあります。
「サンカヨウ」と言うのは、メギ科サンカヨウ属の多年草であり、「かそけき」とは、今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す言葉となります。
父親の再婚の話で、義母の美子と連れ子の4歳のひなたと一緒に生活をしていくことになります。陽の実の母親は他界しているわけではないので、実の母の話が出てきます。
物語のほとんどは、陽視点で描かれていくので、わかりにくいところは少ないのかと思います。なんですが、陽の感情表現はかなり抑えられているところがあり、中心人物は陽ですが、実は周囲のキャラクターの陽への視点により、陽の人物像が成り立っているとも言えます。
「ん」
夜道を陸と歩いているシーンでの陽の雰囲気がとても良いです。ただ会話をしているだけなのに、優しい雰囲気の受け答えにとてもリラックスする感じがします。
実の母に会いに行き、そこで感じてしまうことが陽にあり、そのことで、気持ちの変化が生まれてしまいます。
「大人って、自分の生んだ子供の顔を忘れてしまうこともあるの?」
陽の気持ちの吐露のある中盤の長回しシーンですが、気持ちを打ち明けているとはいえ、やはり、直球ではなく、どこか、自分の気持をまっすぐに言えない年頃の女の子が描かれています。
「うれしかったんだ」
義理の母とも打ち解け、実の母とも対面をし、徐々に日々の生活に明るさがでてきます。
地味にレシピノートが良いデザインです。
義理の母と連れ子との4人家族の話のように見えて、学校の友達や実の母親のことなどが丁寧に描かれており、とても観やすい作品です。
なお、テレビドラマ「ドラゴン桜」での共演の2人が主演となっていますが、物語のつながりは当然ながらありません。でも、なんとなく「ドラゴン桜」と別の世界線での物語かなぁという勘違いをしながら観るのも良いかもしれません。
予告編
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