【洋画】「17歳の瞳に映る世界〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/シャロン・ヴァン・エッテン/ドリュー・セルツァー/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 オータムは、友達も少なく、あまり目立たない女子高生。ある日、妊娠していることを知り、そのことについて悩む。彼女の住むペンシルバニアでは未成年は両親の承諾がなければ中絶手術ができないため、いとこのスカイラーの手助けを得ながら、ニューヨークで手術をすることにする。

17歳の瞳に映る世界 (字幕版)

当事者意識というところもありますが、その意識が自然に入ってくるところは、よくできた演出

・エリザ・ヒットマン監督は、2013年「愛のように感じた」で監督デビューをし、評価を得ています。2021年「17歳の瞳に映る世界」では、日本劇場初公開の作品となっています。

・シドニー・フラニガンは、エリザ・ヒットマン監督の編集を行っていたスコット・カニンガムが見出し、2021年「17歳の瞳に映る世界」で映画デビューをしています。もともと演技の勉強をしていたこともあり、今後が期待できる女優です。なお、シンガーソングライターとしても活動をしています。

・原題は「Never Rarely Sometimes Always」となっており、中盤でカウンセラーの質問の回答を4つに絞り、回答しやすいようにしたことを題名としています。

・本作は、第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞しています。

・物語は、予期せぬ妊娠をしてしまった主人公が、中絶を行うため、州をまたぎ、遠方で中絶を行うためにニューヨークへ向かうストーリーです。

・序盤から、主人公 オータムの生活が描かれ、学園祭で弾き語りをするシーンが描かれます。

・布石として、弾き語り演奏に気持ちが込められています。

・父親のことが描かれないので、ちょっとモヤモヤしますが、なんとなく、察してください的なところだと思います。

・アメリカはキリスト教が多いので、中絶にはあまり好意的な感じが無いのかもしれません。

・17歳とは言いますが、日本の17歳とアメリカの17歳ではちょっと雰囲気が違います。

・やはり人種により見た目が違うのはとてもわかりますが、17歳ではまだ学生であるというところでもあり、そのことで日本人的に見れば、ちょっと理解が難しいような気もします。

・特にピアスを開けるということについては、言葉は語りませんが、何かしらの意思は感じます。とはいえ、開け方を見ているとあまりおすすめはできないところはあります。

・12週目を超えると中絶が難しくなるということで、当人の気持ちに感情移入してしまう作りでストーリーが描かれ、切実な感じがストレートに伝わってきます。

・中絶手術を受ける際のカウンセラーからの質問で、ある程度状況がわかってきますが、これもまた、主人公視点で描かれるので、なかなか感情に刺さってきます。

・その際の質問の回答方法では、その際の記憶を呼び戻してしまうこともあり、セカンドレイプを避けることから、4つの回答で答えるように意図されています。

・本作の題名に沿ったことが描かれ、中絶に際して、当人がどういう気分を受けるのかが伝わってきます。

・説明が少ない作品なので、わかりにくいところがありますが、よく観ていれば全然理解できないわけではないです。

・行間を読むような作品ではありますが、当事者としては、何かにすがりたいとことがあり、検査する側では事実に沿ったことをするしかないところもわかります。

・むしろ、カウンセラーがしっかりと支えることで、どうしていくかを考えていくのが良いと思いますが、もう一つ大切だったのは、いとこの存在が大きかったのかもしれません。

・当事者意識というところもありますが、その意識が自然に入ってくるところは、よくできた演出かと思います。

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映画チラシ「17歳の瞳に映る世界」監督エリザ・ヒットマン シドニー・フラニガン タリア・ライダー

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