【監督】瀬々敬久
【出演】菅田将暉/小松菜奈/山本美月/高杉真宙/馬場ふみか/倍賞美津子/永島敏行/竹原ピストル/二階堂ふみ/松重豊/田中美佐子/山口紗弥加/成田凌/斎藤工/榮倉奈々/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】平成元年生まれの高橋漣と園田葵が主人公。北海道で育った2人は、初恋をするが、葵は北海道を去ってしまう。8年後に結婚式に呼ばれて場所で、2人は再会をする。
日本では、時代を紡ぐような作品が少ないところもあり、こういう時代のなかで、小さな存在でもある主人公たちが暮らしていたという展開は面白かったとは思います
・瀬々敬久監督は、学生時代に自主映画制作を行い、ポルノ映画を制作をしながらも近年では話題作を制作するようになり、意欲的に映画制作を行なっている監督です。
・菅田将暉は、モデルのオーディションで選ばれた後、2009年「仮面ライダーW」で、初出演初主演をしています。その後は多くの話題作に出演しています。
・小松菜奈は、モデルとして雑誌で活躍後、中島哲也監督の「渇き」で映画デビューしています。2016年にはシャネルのブランドアンバサダーを務めたことのある女優です。
・本作は、1998年に発売された中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフしています。
・物語は、平成元年に生まれた男女2人が18年間に渡る時間を描いた作品となっています。
・序盤は、2人の13歳の頃が描かれ、そこで逃避行をするところまでが描かれます。
・子供の頃の世界は、おとなになったときの世界よりも小さく、学校やその近隣の関係がすべてだったりするので、この序盤の世界観は多くの人に理解できるところなのかもしれません。
・菅田将暉と小松菜奈が主演ですが、他に登場する脇役も、有名な俳優が出ています。
・菅田将暉が妙に減量しているような感じで、とても華奢な感じながら、芯はしっかりしているような印象があります。
・平成の30年間を描いた作品であり、その時代背景を重ねながら、物語が描かれていきます。
・妙に登場人物の多くのメイクがすっぴんに近い感じで、これはこれで、瀬々監督の作風でもあります。あまり飾りつける作風ではなく、むしろ骨太な感じのする作風の監督なので、きっちりと読み取ったほうが良いです。
・チーズ工房の先輩の榮倉奈々はちょっと魅力的です。ファイトを歌ってくれたのもなんか良いです。
・リーマンショックも物語の中で描かれ、葵の彼氏 水島はその影響をを受けてしまいます。沖縄で隠居生活をしていますが、水島演じる斎藤工は、まんま現地民のような感じで個人的になんとなくツボです。
・小松菜奈は、キャバクラ嬢やその他の仕事に携わり生活をしていますが、その苦労さ感は、服装や雰囲気から感じなく、そういう役作りではなく、目ヂカラと本人の個性がこの人の魅力のように思います。
・むしろ好きな女優ではあるのですが、にじみ出てくるような良さを持つ女優ではないので、多少ミスキャストな気もします。
・「ずっと、あの街でいきていくわ、普通に。」
・「じゃあ私は世界中を飛び回ろうかな。」
・このときの会話もサラッとしていますが、意外と演出が良く、サラッと描いていながらも、セリフの間のとり方がそれぞれ異なり、演技力の格差を感じてしまいます。
・中盤から山本美月が登場しますが、山本美月と小松菜奈が2人並ぶとさすがに迫力はあります。細いながらも身長も高く、変な意味で威圧感があります。
・東日本大震災も描かれており、激動の平成時代のなかで、登場人物の小ささを感じてしまいます。
・「まだ逢えるだろ、これからもよ」
・成田凌が歌う「ファイト」がめっちゃ刺さります。上手いとか上手くないではなく、なにか歌詞と声がしっかりと刺さってくる感じです。ここは必見です。
・小松菜々が作中使用しているケータイはやはり「Google PIXEL」のようです。
・「このご飯が一番美味しい」
・「ここにいながら世界と繋がれることがわかったんだ」
・本作は、恋愛物語というよりも、平成の時代でなにかを目指して進んできた人々を描いた作品であります。
・中島みゆきの「糸」は1998年に作られた曲であり、本人が46歳のときに制作した曲です。
・平成時代30年をズバッと描きながら、主軸の2人の人生の翻弄さを描いた作品で、よくよく思えば、「フォレスト・ガンプ」だったような気もします。
・日本では、時代を紡ぐような作品が少ないところもあり、こういう時代のなかで、小さな存在でもある主人公たちが暮らしていたという展開は面白かったとは思います。