【監督】フロリアン・ゼレール
【出演】アンソニー・ホプキンス/オリヴィア・コールマン/マーク・ゲイティス/イモージェン・プーツ/
【あらすじ】主人公アンソニーは、ロンドンで一人暮らしをしている81歳。認知症により記憶が薄れ始めて来ており、父と娘の間での絆が描かれる。
原作の戯曲が「この10年間で最も評価の高い新作戯曲」と言われており、シナリオ自体の完成度が高いかと思われます
・フロリアン・ゼレール監督は、22歳の時に小説「人工雪(英題:Artificial Snow)」を発表し、その後、小説家として評価を得ていきます。2021年「ファーザー」で長編映画監督としてデビューをし、才気溢れる監督です。
・アンソニー・ホプキンスは、イギリスの俳優で、演劇を学び、軍隊に入隊後、1968年『冬のライオン』で映画初出演をしています。1980年『エレファント・マン』でドクター役などをこなし、1991年『羊たちの沈黙』でアカデミー主演男優賞を受賞しています。その後、2021年『ファーザー』で再度アカデミー主演男優賞を受賞しており、同賞の最年長受賞者となっています。
・第93回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、主演男優賞と脚色賞を受賞しています。
・日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」が本作のベースとなっています。
・物語は、認知症になりつつある高齢の父と娘との物語で、主人公アンソニーは、曖昧な記憶の中、現実と幻想の境目をさまよいながら、ある真実にたどり着くストーリーです。
・アンソニー・ホプキンスは、撮影時は80歳の高齢でもあり、その中でも、優れた演技により、数々の映画賞を受賞している点は驚きです。
・日本でも、高齢化社会というところもあり、むしろ身近に感じられる作品なのかもしれません。
・物語自体も、原作の戯曲が「この10年間で最も評価の高い新作戯曲」と言われており、シナリオ自体の完成度が高いかと思われます。
・2015年には、フランス語版の映画『Floride』が制作されていますが、本作は、原作者自身が監督を務めているので、より理想的な作品に仕上がっているように思います。