【監督】矢崎仁司
【出演】北村匠海/小松菜奈/吉沢亮/小林由依/水谷果穂/山谷花純/加藤雅也/趙たみ和/寺島しのぶ/永瀬正敏/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】音信不通だった父が2年ぶりに家に帰ってくる。手紙を受け取った次男・薫は、その年の暮れに実家へと向かった。しかし、そこには兄の姿はなく、すでに他界していたことを知る。幼い頃の記憶を回想しながらも、壊れかけた家族をもう一度つなぐ奇跡のような出来事が、大晦日に訪れようとしていた─。
予告編から想像する内容と多少異なり、これもまたモヤモヤするところではありますが、特に主役が誰であるかということを考えず、一家の物語として考えればしっくりと理解できるのかと思います
矢崎仁司監督は、学生の頃から映画を制作し、1980年『風たちの午後』で監督デビューをしています。1992年『三月のライオン』がベルリン国際映画祭ほか世界各国の映画祭で上映され、評価を得ています。「無伴奏」「三月のライオン」の作品を制作してきた監督です。
北村匠海は、もともと、ダンスロックバンド「DISH//」で活動をしていましたが、役者としての活動も増やしてきてしています。
小松菜奈は、モデルとして雑誌で活躍後、中島哲也監督の「渇き」で映画デビューしています。2016年にはシャネルのブランドアンバサダーを務めたことのある女優です。
物語は、音信不通だった父が実家に帰ってくるということで、家族5人が集まるが、そこに長男姿はなく、2年前に他界していたことを知る。壊れかけた家族でありながらも、大晦日の日に奇跡が起きようとしていた。
原作は累計55万部を突破する西加奈子の同名小説です。
西加奈子の作品の映画化は、「きいろいゾウ」「円卓」「まく子」に続いて、本作は4作目となります。
題名のさくらは、犬の名前「サクラ」にちなんだところと、桜の木のところに意味がかかっていると思われます。
物語は、サクラと言う飼い犬を中心とし、家族の生活を描いたストーリーです。
父と母、長男、次男、長女の3人家族を描いた物語で、就学前の頃から、成人をするくらいまでを描いています。
子供がどのようにできるかということを説明するシーンでは、おいおい、どこまで説明すんねんと思うような教え方にはちょっとドキドキします。
成人してそうな兄弟が一緒に風呂に入っているのもなかなかモヤモヤします。
そのあとのボディソープの暗喩もなかなかな感じです。
家族全員が揃って平日に晩ごはんを食べるのもかなりモヤモヤします。
小松菜奈の衣装が、ショートパンツやペラッペラなシャツやセーラー服と、微妙に年齢がわからないところにもモヤモヤします。
後半の小松菜奈の壊れ方はなかなかですが、演出という点でもあり、あまり優れた演技かと言われると謎です。
小松菜奈の手にとあるものがありますが、これも演出的に必要だったかはわかりませんが、さくらという犬の存在の生き物的なところは感じます。
全体的にモヤモヤする点が多いのですが、一家の時の流れを描いている物語で、数々のエピソードを積み重ね、その先にあることを描いているところが本作のキモです。
なので、要所要所繋がりがわかりにくいところもありますが、そんな事柄も含めて、この一家の時間の流れではあるのかと思います。
エンディングは、東京事変「青のID」となりますが、作品の流れから、この曲というちょっとチグハグ感はあります。
予告編から想像する内容と多少異なり、これもまたモヤモヤするところではありますが、特に主役が誰であるかということを考えず、一家の物語として考えればしっくりと理解できるのかと思います。