【監督】細田守
【出演】中村佳穂/成田凌/染谷将太/玉城ティナ/幾田りら/森川智之/津田健次郎/小山茉美/宮野真守/森山良子/清水ミチコ/坂本冬美/岩崎良美/中尾幸世/佐藤健/
【あらすじ】過疎化の進む高知の田舎町が舞台。主人公 すずは、幼い頃に母親を亡くし、父と2人で暮らしている女子高生。全世界で50億人以上が集う仮想世界「U」で「ベル」というアバターで参加し始め、そこで、ベルは歌うことで注目をされていく。
細田守作品といえば、一時期、貞本義行がキャラクターデザインをしていましたが、本作では関わっていないので、キャラクターの好みが出るところではあります
・細田守監督は、中学時代に劇場版『銀河鉄道999』や『ルパン三世 カリオストロの城』に影響を受け、アニメーターを目指し、スタジオジブリには採用されなかったものの、東映動画で原画や演出に携わり、1999年『劇場版デジモンアドベンチャー』で監督に抜擢され、2000年『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で高い評価を得ています。その後、2005年『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』を制作し、フリーの演出家となります。2006年『時をかける少女』2009年『サマーウォーズ』を制作し、ヒットを飛ばしています。その後は、スタジオ地図を設立し、コンスタントな映画製作に取り組んでいます。
・中村佳穂は、20歳より本格的な音楽活動を始め、京都を中心に音楽活動をしています。2014年自主制作映画「家路 On The Way Home」で主題歌等を担当し、2021年『竜とそばかすの姫』では、主人公の声と劇中歌を担当しています。
・成田凌は、『MEN’S NON-NO』のモデルとして活躍以後、TVや映画でも出演するようになり、若手として着実なキャリアを積んでいます。
・染谷将太は、子役から役者としてデビューしており、映画を主軸として役者をしています。なお、2015年1月1日に菊地凛子と結婚しています。
・細田守監督による長編オリジナル作品第6作となります。
・第74回カンヌ国際映画祭で「カンヌ・プルミエール」部門にてワールドプレミア上映されています。
・物語は、主人公の女子高生が現実の世界で心を閉ざしてしまい、仮想世界でアバターを通じて他人と接して行くことで、自分自身を見つめ直していくストーリーです。
・内容だけをさらっと見ると、『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』『サマーウォーズ』と同様のあらすじのようにも見えますが、もともと、そういう意図された作品ではあります。
・予告編を観ると、過去の細田守監督作品の名場面を散りばめたようなところもあり、集大成的な作品なのかもしれません。
・細田守作品といえば、一時期、貞本義行がキャラクターデザインをしていましたが、本作では関わっていないので、キャラクターの好みが出るところではあります。
・2015年「バケモノの子」からは、細田監督は脚本も手掛けるようになったので、多少、脚本の力がトーンダウンしたようなきもしており、本作も、脚本は監督自身なので、多少気にかかるところではあります。
・とはいえ、悲惨な程の完成度の作品はまったくなく、安心して期待できる監督の作品ではあります。