【監督】村瀬修功
【原作】富野由悠季
【声の出演】小野賢章/上田麗奈/諏訪部順一/斉藤壮馬/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】宇宙世紀105年。シャアの反乱から12年後の世界で、腐敗した世界の中で、マフティー・ナビーユ・エリンと名乗る人物が率いる反連邦組織「マフティ」が、地球連邦政府に対抗していく。
3部作という点ではありますが、序盤より、詳細を描きながら、世界観がわかるような展開
・村瀬修功監督は、1988年『鎧伝サムライトルーパー』の作画で注目され、1991年『機動戦士ガンダムF91』に抜擢されています。その後、2017年「虐殺器官」で初劇場アニメ監督として作品を作り、テレビアニメやOVAなどを手掛けています。
・本作は、1989年~1990年にかけて刊行された富野由悠季作の小説で、全3巻の内容です。
・原作は、『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編として描かれていますが、本作は、『逆襲のシャア』の続編として設定されています。
・物語は、アムロ・レイとシャア・アズナブルのとの戦いがあった宇宙世紀93年から12年後の世界が舞台で、当時の戦争を見届けたハサウェイ・ノアが地球連邦政府に反旗を翻すストーリーです。
・序盤から、特権階級専用往還シャトル「ハウンゼン」に登場している、ハサウェイとその他登場人物が描かれ、そこで、マフティーを名乗る集団にハイジャックされます。
・ハイジャックの緊張感と容赦ない演出はガンダム作品といえども、結構衝撃的ではあり、PG12指定くらいでも良いのかもしれません。
・いつもながらのガンダムと異なり、主人公が登場しますが、ガンダム自体がすぐには登場しません。
・また、世界観的にちょっと説明が必要な要素もあり、少なくとも「機動戦士ガンダム 劇場版3部作」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は観ておくのが良いと思います。
・序盤のハイジャックシーンは、すでに先行予告として配信されており、まずは作品の雰囲気とテンションがわかると思いますので、こちらを観てから、全編を観るか考えると良いかもしれません。冒頭15分ほどの予告編となります。
・なお、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は三部作構成と予定されており、本作だけでは、ストーリーは完結しません。
・オープニングは、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の戦闘シーンのCGとなっており、どうも、反射や光沢感のあるCGにはアニメ絵としっくりこないところはあります。
・地球連邦軍とマフティの関係性を理解すれば、だいたいのストーリーはわかります。
・なお、「マフティー・ナビーユ・エリン」とは、ハサウェイのことで、マフティの中心人物ではあります。
・なぜ、単身で行動をしているのかは詳細には描かれませんが、きっちりと説明されています。
・本作は、結構作り込まれた演出がされているので、一度観ただけでは気が付きにくい小ネタが多く仕組まれています。
・トランクを開けるときに小さい糸のようなものを仕掛けてあり、開けたかどうかを確かめています。
・中盤で、ギギが朝食を食べているシーンも、会話をしながらも、しっかりと食事しているように描かれ、徐々に食べ物がなくなっていく演出がされています。
・こういう細かい演出が色々と仕掛けられていると思います。
・ギギ・アンダルシア自体が妙にエロティックなところもあり、サービス的なカットも多いです。年齢がわからないところもあり、本作だけでは、彼女の役回りがよくわかりません。
・3部作という点ではありますが、序盤より、詳細を描きながら、世界観がわかるような展開となっているので、本作では、なんとなく助走程度の盛り上がり程度でとどまっています。
・モビルスーツ戦はありますが、音響のこだわりがあり、使用している重火器の音がそれぞれ異なります。
・また、カメラのレンズを意識するような映像にもなっており、奥行き感のあるぼかしがされていたりしており焦点距離があるカメラで撮影していることがわかります。アニメではここまでやる必要がないのですが、意図的に、演出に遠近感を用いています。
・要所要所、ギギのセリフから、ハサウェイの正体を知っているようにも思われますが、詳しいことは描かれません。
・CG制作と作画的には「機動戦士ガンダムユニコーン」のようにクオリティは高いのですが、「機動戦士ガンダムユニコーン」のような絵柄でも好みはあると思います。
・ファーストガンダムの流れで、初代のガンダムのキャラクターに関わる人物が登場するので、往年のファンにも理解しやすいところはあると思います。
・小説版とは異なる展開も多少予測できるので、本作がどのように進んでいくのかは気になるところです。
・2作目の公開がいつになるのかが未定ですが、それほど長期間のスパンとならずに順次公開されるのかと思います。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)