【監督】尾崎将也
【出演】門脇麦/三浦貴大/比留川游/マキタスポーツ/YOU/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 小沼真実は、高校から5年間引きこもり気味で現実逃避しながら生きて来ましたが、ゲームのデバッカーのアルバイトをはじめたときに、イラストを書いたことできっかけで、色々悩み始める。
わかりやすい内容ですので、サラッと観るには良い作品
・尾崎将也監督は、第5回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、その後、脚本家として様々な作品を作り、2010年、初監督映画『ランデブー!』で映画監督デビューをしています。
・門脇麦は、ニューヨークで生まれで5歳で東京で育ち、役者の道を歩み、『スクールガール・コンプレックス』で映画主演をし、様々な役を柔軟にこなすことのできる有望な女優です。
・物語は、引きこもりの主人公が、ゲームのデバックのアルバイトを通じて、自らの才能を見いだされるが、自信を持てないことで、悩みながらも前に進もうとする女性の物語。
・門脇麦の魅力は、どこかにしっかりとした信念がありつつも、きちんと役に徹しているところであり、美人やスタイルが良いという要素ではなく、人間として魅力を持っているところが見え隠れするところが、個人的に思う魅力かと思います。
・父親役はマキタスポーツであり、別居してしまった母親はYOUとなっています。
・この夫婦の子供なら、ちょっと歪んでしまうよなぁと思いつつも、マキタスポーツの父親像はちょっと悪くなかったです。
・引きこもりであるがゆえに、社会に馴染めなかった真実ですが、ゲームのデバッカーをバイトとして始め、そのゲームのキャラクターイラストを内緒で直すことでストーリーが動き始めます。
・内向的な真実は、得意なイラストを描くことで、評価されますが、実際に仕事として依頼されることで、不自由さを感じ、イラストを描くことに抵抗を感じてしまいます。
・これはクリエイターによくあることでもあり、才能の無駄遣いというよりも、興味あることに熱中することと、他人から指示されることを好ましく思わない点で、よくわかります。
・ここに「アーティスト」と「クリエイター」の違いが取れます。
・ですが、この部分すらも自分自身で割り切ってこなすのがプロであり、そういった意味では、あまり褒められたところではないかなぁと思います。
・真実の才能を認める矢部も、本心であるかそうでないかの描き方も多少弱く、多分、我の強いクリエイターと、指示通りに動いてくれるクリエイターの違いから生まれたところにはなるのかもしれません。
・親子の関係の見直しと、自分自身の進路を決めていくという点で、新しく自分自身を見直しながら、前向きにどうしていくかを描いており、この部分に考えさせられるところがあります。
・門脇麦の自閉症気味の話し方がとてもツボで、カワイイとすら思えるようなところもあります。
・主人公を中心とした物語でもあり、わかりやすい内容ですので、サラッと観るには良い作品かと思います。