【監督】アンドレア・ジョリエッタ
【出演】イングリッド・ガルシア・ヨンソン/モナ・マルティネス/アルバロ・オガラ/フェルナンド・アルビズ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 アナは、幸福な生活をしており、婚約者との結婚も控えているが、どこか退屈をしていた。ある日、自分とそっくりのドッペルゲンガーが現れ、自分の生活に溶け込み始める。そのことを利用して、アナは、いままでの自分をすてて、新しい生活を始める。
映画自体のメッセージが強くないので、あまり不思議な要素がない作品なのが惜しいところ
アンドレア・ジョリエッタ監督は、本作が長編初監督作品となります。
イングリッド・ガルシア・ヨンソンは、スウェーデン出身の俳優で、2010の「ナイト・アンド・デイ」でキャメロンディアスのスタントをしています。
物語は、ドッペルゲンガーが現れたことにより、今までの生活をすて、新しい自分を見出していくストーリーです。
もうひとりの自分が現れるというところは、すでにファンタジーやオカルトの要素がありますが、本作では、どちらかといえば、主人公の欲望を描いている点があります。
髪を赤く染め、夜の街での仕事をし、新しく男性とめぐりあうという内容。
主人公 アナは婚約をしていたということもあり、ある種、マリッジブルーという印象もあります。
エロスの要素を含んでいるところもありますが、自分の殻を抜け出して、違う自分になるということが、本作の内容です。
序盤のドッペルゲンガーが登場するあたりは、多少サスペンス的なところがありますが、このあたりは、終盤までは、一旦「置いておいて」というような展開となります。
なぜ、堕ちていく道を選ぶのかがちょっとわかりませんが、堕ちていくことはいつでも誰でもできてしまうことも意味しており、意識や地位の向上というのは、努力や運が必要でもあり、意外と実現しにくいところでもあります。
そういった意味では、堕落という点についてはわからなくはないです。選ぶ道がないのですから・・・。
終盤では、観ている側に判断を委ねる内容となっていきますが、このあたりは、デヴィッド・リンチ監督作「ロスト・ハイウェイ」のような印象も受けます。
映画自体のメッセージが強くないので、あまり不思議な要素がない作品なのが惜しいところではあります。