【監督】バート・レイトン
【出演】エバン・ピーターズ/バリー・コーガン/ブレイク・ジェナー/ジャレッド・アブラハムソン
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】アメリカ ケンタッキー州で大学生活をウォーレンとスペンサーは大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出すことを計画する。
危機感や不安感を煽る手段として、スキのあるような計画性が見どころであり、映画のツボを抑えつつも新しい手法をみたような印象となる映画
・監督のバート・レイトンは、イギリス出身のドキュメンタリーを手掛けており、2012年The Imposterで長編映画デビューをしています。
・エバン・ピーターズはアメリカ出身の俳優で,2002年『Clipping Adam』 で映画初出演をしています。
・物語は、学生4人が大学図書館の所蔵の貴重な本をぬずみだすことを計画し、実行した実話をベースとしたストーリーです。
・序盤、学生たちが、図書館にある蔵書に高額な本があることを知る。
・時価1200万ドル(およそ12億円相当)の超える画集「アメリカの鳥類」を盗み出すことを計画するが、2人では決行が難しいところもあり、ほかに目星のついた2人が合流し、4人での決行となります。
・しかしながら、この作品の特長でもあるのが、実話をもとに制作した再現映画調であるというところであり、実話である以上、突貫工事的で、思いつきな行動が目につきます。
・この計画の綿密さが欠けているところが、逆に言えば本作の魅力であり、さまざまな犯罪映画のオマージュとなるようなところも映画的楽しさではありますが、事実としてはあまりにもお粗末と言えます。
・そのお粗末さ加減を楽しむのがこの作品の正しい見方であり、スキのある計画性にどこか人間臭さを感じてしまいます。
・ともかく、要所要所で挿入されている音楽のチョイスが良いので、映画的にも鑑賞しやすいのですが、この辺りの映画的な要素と実話的な要素に面白さがあります。
・老人の変装は色々もやもやしますが、正直、すぐバレるような変装でもあります。
・中盤以降では、計画の実行となるのですが、この計画自体のナマモノ感はとても見応えがあります。
・次々と発生するトラブルに対処法が思いつきなところもあり、実際の犯罪が難しいところと、テンパってしまったグループの行き当たりばったり感が後々の結末に向けてのカタルシスともなっています。
・実話を映画としてまとめているところに、映画的ご都合主義を織り込むわけでなく、失敗も含めた実録調なところに本作の魅力が詰め込まれています。
・危機感や不安感を煽る手段として、スキのあるような計画性が見どころであり、映画のツボを抑えつつも新しい手法をみたような印象となる映画です。