【洋画】「ダイ・ハード〔1988〕」★★★★★【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ジョン・マクレーンは、ニューヨークの警察官。別居している妻 ホリーに呼ばれ、ロサンゼルスの日系企業のナカトミ商事のクリスマスパーティに呼ばれる。そこにテロリストが侵入し、多くの人が人質となる中、マクレーンは孤立無援のビル内でテロリストと対決を始める。

今までのアクション映画の歴史を塗り替えたと言っても過言ではない名作

ジョン・マクティアナン監督は、音楽学校で音楽を学び、1986年に主演『ノーマッズ”nomads”』で自ら書き上げた脚本で映画監督としてデビューしています。

その後、「プレデター」「レッドオクトーバーを追え」「ラストアクションヒーロー」と話題作に関わりますが、2003年以降映画監督作品は制作していません。

ブルース・ウィリスは、TVドラマ『こちらブルームーン探偵社』で話題となり本作に抜擢、一躍アクション俳優として注目され、アクションからコメディまで幅広い役どころを演じますが、一時低迷し、『パルプ・フィクション』の重要な役で再注目され、1998年の「アルマゲドン」で見事に返り咲きます。

さらに「シックスセンス」では演技も評価されトップアクターとして地位を確固たるものとします。その後も「ダイハードシリーズ」や「エクスペンダブルズ」に出演し、話題性の高い俳優です。

「ダイ・ハード」という言葉には「なかなか死なない・しぶといヤツ」という意味があります。

物語は、ハイテクビルで開催するパーティーに呼ばれますが、そこでテロリスト集団にビルが占拠され、ビルに籠城したテロリストと孤立無援の戦いを始めるストーリーです。

この映画の特長は、今までスーパーヒーローが活躍して敵を退治する主人公像と異なり、主役のジョン・マクレーンは、ごく普通の警察官であるというところです。

ごく普通の警官であるがために、正義感はありますが、恐怖心や肉体的弱さも持ち合わせているところです。

まさしく人間臭い主人公像がこれまでのハリウッドアクションでは珍しく、力技だけでなく、頭脳を使って、危機を乗り越えるタフさがあります。

このタフさこそが「ダイハード」という題名を表しており、1作目にして名作ともいえるところでもあります。

序盤は、逃げ隠れをしながら、一人一人テロリストと対峙し、この事件の全容と人質を救っていくところに面白さがあります。

1人対多数のテロリストというところで、一網打尽に戦っていく訳ではなく、一人一人の情報を集め、テロリストの裏をかくかのように、謎の人物として、戦っていきます。

特にテロリストの名前を調べ、詳細が明かされないテロリスト一味の情報を外部の警官に教え、テロリストたちにも、一枚上手と思わせるような行動で、多数のテロリストを翻弄していきます。

この描き方がまさに秀逸で、今までになかった戦い方をしっかりと見せつけてくれます。

対するテロリスト側も、リーダーのハンスの計画が周到なところもあり、お互いが頭脳プレイをしてくるところにストーリーの深さがあります。

誰もいないようなハイテクビルの中で移動をしながら戦う様は、観ていてとてもワクワクします。それは子供の頃に誰もがやったであろう、マンション内での鬼ごっこのようなところがあります。

エレベーターの上部に乗り移動する様は流石に危険ではあるので真似をしてはいけません。

お互いに素性がわからない相手と対決するというところで、いかに相手の情報を得るかというところが、これまでのアクション映画にはなかった要素でもあり力技ではないアクション要素がよくできています。

特に警官隊がナカトミビルを攻略する様は非常に面白く、ハイテクビルの利点を生かした籠城には、テロリスト側の計画性の良さがよくわかります。

警察の用意する装甲車ですら、侵入ができないところや、リーダーのハンスの立ち回りは、強烈なインパクトがあり、敵役が引き立つことで、内容の面白さに直結していることがよくわかります。

最終的にはFBIが乗り出してくる状況ともなりますが、FBIが出てくることも計算されている計画性と、偶然ではなく必然として行われることで目的を達成してしまうテロリストには、史上類をみないほどの見事な敵役です。

敵役の最期は、撮影時のタイミングをズラすことで、演技以上にリアルな表情をしているところも

最終的には当然勧善懲悪となるアクション映画ですが、今までのアクション映画の歴史を塗り替えたと言っても過言ではない名作アクション映画です。

予告編

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