作品紹介
【監督】ティム・バートン
【出演】ジョニー・デップ/ウィノナ・ライダー/ダイアン・ウィースト/アンソニー・マイケル・ホール/キャシー・ベイカー/ヴィンセント・プライス/アラン・アーキン
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 エドワードは、人造人間として丘の上の屋敷に住んでいましたが、生みの親の発明家がエドワードを未完成のままで死んでしまったため、両手がハサミのままで、孤独に暮らしていました。ある日、セールスにやってきたペグに連れられて町にやってきますが、両手がハサミということで、事件を起こしてしまいエドワードは苦悩します。
サブスクで観る
すべては、エドワードの視点や感情移入しやすいところでもあるので、とても観やすい作品
監督のティム・バートンは、ディズニーのアニメーターとして活躍後、1982年「ヴィンセント(6分の短編映画)」を監督し、1984年「フランケンウィニー」についで、1985年『ピーウィーの大冒険』で長編映画デビューしています。独特な世界観を持ち、病的なように見えるながらも心優しいというキャラクターが主人公の作品が多く、どこか倒錯していますが、心に残るような物語で、世界的に魅了されている作品が多いです。
犬が好きでもあり、犬のキャラクターに対する愛情が非常に強いことでも知られています。
ジョニー・デップは、16歳のときに高校を中退し、ミュージシャンとしての「The Kids」のリードギタリストとして活躍し、その後、1984年『エルム街の悪夢』で映画デビューをし、1990年『クライ・ベイビー』で映画初主演、一癖ありながらも印象に残る役者として活躍しています。
「The Kids」は、現在「Six Gun Method」という名前に改名し、さまざまなバンドとコラボレーションをしています。
ウィノナ・ライダーは、出生地であるミネソタ州ウィノナにちなんで名付けられています。1986年『ルーカスの初恋メモリー』で映画デビューをし、「恋する人魚たち」「エイジオブイノセンス」「若草物語」などの作品で評価されましたが、2001年に窃盗事件を起こしています。
物語は、人造人間である心優しいエドワードが、両手が未完成で、ハサミを取り付けられてしまっていることで生じる事件と苦悩を描いたちょっと変わったラブストーリー。
主人公エドワードは、感情を表に出しにくい人造人間でもあり、この部分のイメージはジョニーデップが丁寧に演じています。
疎外感や孤独感というところは、ティム・バートンの幼少期からの体験が反映されており、このあたりのキャラクターの作り込みはティム・バートンならではのところになります。
見た目はかなりハードパンクなエドワードですが、心は非常に純朴な感じがあり、外見が尖っていながらも実は優しいというバンドマンぽいところもあります。
手がハサミというところ以外は特に不便なところはありませんが、そんなところも逆にメリットとして人に受け入れてもらおうとするエドワードに健気さも感じてしまいます。
ウォーターベッドで寝ていながら、寝ているのを起こされた驚きでウォーターベッドを壊してしまうところはちょっとコミカルでもあります。
エドワードの世界はモノトーンな世界ではありますが、街の風景はビビッドな原色の世界でもあり、このギャップも効果的です。
すべては、エドワードの視点や感情移入しやすいところでもあるので、とても観やすい作品となっています。
世界観が見事に作り上げられているので、小さなファンタジー映画として観ていただければよいのかと思います。