【日本映画】「億男〔2018〕」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 一男は、兄の借金3000万円を肩代わりしたことで、妻と別居となり、昼は図書館司書、夜はパン工場で生活しています。ある日、3億円の宝くじが当選し、借金返済を考えますが、お金のために生活を崩してしまった人もいることで、知人の九十九に相談をする。

なかなかと面白いのは、落語「芝浜」をポイントとしていることで、「芝浜」を理解していると、本作をさらに楽しめるところ

大友啓史監督は、NHKで様々な番組を手掛け、2007年「ハゲタカ」でドラマ界に衝撃をもたらし、評価されます。その後、大河ドラマ『龍馬伝』も手掛け、独特な演出で注目される監督です。

佐藤健は、高校生のときに原宿でスカウトされ、2006年『プリンセス・プリンセスD』で俳優デビュー後、2007年平成仮面ライダーシリーズ第8作『仮面ライダー電王』で主演を務めています。その後、映画や舞台に多数出演しており、2020年3月にはYouTube公式チャンネルを開設しています。

高橋一生は、1990年『ほしをつぐもの』で映画初出演をしており、その後演劇や声優などで活躍するようになりましたが、端役が多かったのですが、数年前からやっと主演クラスの作品で目立つようになってきています。

なお、スタジオジブリ作品「耳をすませば」では、主要キャラクター・天沢聖司の声優を担当しています。

物語は、借金苦の主人公に3億円の宝くじが当選し、そのお金が元で、お金や人のことを見直す事となるストーリーです。

序盤から、パーティに興じる主人公が描かれ、トラブルの発端が描かれます。そこで、消えてしまった3億円と3億円を手に入れた経緯、借金を背負ってしまった経緯が描かれます。

実際、3000万円の借金となると完済するには普通の仕事をしていても返済はほぼ難しいと思います。

その取っ掛かりとしても3億円の宝くじの当選となるのですが、それだけでは解決できないところもあります。

本作のポイントは、友人 九十九の言動でもあり、お金がどういうものなのかというところと、企業して目指してきたところのそれぞれのジレンマに、どう思うかを考えさせられるところがあります。

序盤で登場する元バイカムのCEO 百瀬についても、競馬を通じて賭け事の世界とその価値ということを描いています。

この百瀬演じる北村一輝の喋り方は、個人的にちょっとツボです。

中盤で登場する、千住や十和子も常識という視点というよりも、お金によって何か違う視点を持った
人物として描かれています。

この物語は、そうしたお金にまつわる意識の変化に根付いているところがあり、普通の生活をしている人にはちょっと理解しづらいのかもしれません。

ただし、その部分は主人公 一男の借金苦という要素があり、登場人物の全てに極端な金銭感覚があります。

物語の進行で、時間軸が前後するところがあるので、多少注意して観ておく必要があります。

中盤以降でのモロッコ旅行のシーンでは、その真意となるようなことを多少回りくどい感じもありますが、説明してくれます。

なかなかと面白いのは、落語「芝浜」をポイントとしていることで、「芝浜」を理解していると、本作をさらに楽しめるところになります。

そのポイントを抑えた上で、観てもらえれば、本作が何を言いたかったのかがわかるのかと思います。

予告編

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