【監督】月川翔
【原作】住野よる
【出演】浜辺美波/北村匠海/大友花恋/矢本悠馬/桜田通/森下大地/松藤剛人/上地雄輔/北川景子/小栗旬/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公の僕は、病院でとある日記を見つけたことにより、クラスメイトの山内桜良の秘密を知り、その不治の病を前にして、「死ぬ前にやりたいこと」を叶えていく。
爽やかな2人だからこそ、観ていて心地の良いそんな作品
月川翔監督は、「となりの怪物くん」「センセイ君主」「響 HIBIKI」と2018年には多作だった監督。東京芸術大学大学院映像研究科の黒沢清・北野武ゼミ1期生でもあります。
浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。
北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしており、2017年『君の膵臓をたべたい』で注目され、2020年『とんかつDJアゲ太郎』では、映画初単独主演をしています。非常に多くの作品で主演を演じており、役者としての活動も増やしてきています。
物語は、主人公の僕が、病院で偶然拾った「共病文庫」というタイトルの本を見つけ、その持ち主が、クラスメイトの山内桜良であることを知り、その不治の病を知ってしまったことで、桜良と一緒に過ごすようになるストーリーです。
原作にはない12年後の世界が描かれており、高校生時代のエピソードは過去として扱われています。
主人公 僕と咲良が中心となって物語が進んでいき、「共病文庫」の内容を見てから、その難病を患っている咲良のため、死ぬまでにやっておきたいことを色々と実行していくことになります。
非常に簡単なことから、徐々に無理をしてまでも旅行に出かけるなどの行動も増えてきます。
一見、普通に振る舞っていますので、なんの病気なのかわからないところがありますが、この難病というのも重要そうで重要でもなかったりします。
難病ものとして、闘病することで絆が生まれてくるような展開ではなく、普通にラブストーリーとして成立している感で推しているところがあります。なもんで、あまり物語の進み方が暗くなっていくこともなく、どこかしら生きていく希望も見えるようなそんな展開です。
終盤の展開はなかなか予想がつかないところでもあり、必然性というところは希薄ですが、運命というのは意外とこんなものかもしれません。その後、残されたメッセージがこの作品の盛り上げところでもあるので、これはしっかりと見てその内容を感じてもらいたいところです。
大人になった僕がのちにどういう人生を歩み、何を得たのかというところが終盤に込められており、もともとの原作にはなかった要素にはなりますが、きちんとまとめられているので、モヤモヤすることはありません。爽やかな2人だからこそ、観ていて心地の良いそんな作品です。
題名に強烈なインパクトがありますが、このインパクトも本作の魅力の一つであります。
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