【監督】菅原伸太郎
【出演】佐藤勝利/高橋海人/モトーラ世理奈/田中樹/箭内夢菜/堀田真由/葵揚/水沢林太郎/達磨/成海璃子/片山友希/吉田靖直/戸塚純貴/星田英利/坂井真紀/光石研/でんでん/薬師丸ひろ子/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 小野田創楽は、髪型から服装、行動など細かく校則がある光津高校に通う高校生。ある日、町田希央という女子生徒に心奪われる。彼女は、生まれつきの栗毛のために、学校から目を付けられていた。
青臭いながらもしっかりとしたメッセージ性があり、良作だと思うのです
・菅原伸太郎監督は、テレビドラマや映画を手掛けており、2019年「ブラック校則」が映画初監督となり、その後「いちごの唄」など様々な作品を作り出しています。
・佐藤勝利は、2010年オーディションに合格し、ジャニーズ事務所に入所し、2011年Sexy Zoneのメンバーとしてデビューします。その後、2013年「49」でドラマ初主演、2017年「ハルチカ」で映画初主演をしています。故ジャニー喜多川から「YOUは特別カッコいい」と言われるほど、生粋のアイドルとも言えます。
・高橋海人は、2013年にジャニーズ事務所に入所し、2015年に期間限定ユニット・Mr.King vs Mr.Princeとなり、そこから、2018年にKing & Princeとしてデビューしています。その後、舞台、テレビ、映画と活躍をしています。
・なお、本作は映画初主演となります。
・モトーラ世理奈は、父がイタリア系アメリカ人で母が日本人のハーフ。2014年に原宿でスカウトされ、雑誌「装苑」の専属モデルで活躍します。その後、2016年RADWIMPSのアルバム『人間開花』のビジュアルジャケットに抜擢され、注目をされ、圧倒的なインパクトで多くの媒体で活躍しています。
・また、2019年にフィッシュマンズ「いかれたBaby」で歌手としてデビューもしています。
・物語は、厳しい校則のある学校のなかで、その校則に縛られながらも、校則を変えていこうとするストーリーです。
・序盤は、厳しい高校生活の中で、厳しい学校生活を過ごしている中でも、町田を見かけてから、妄想の上で、校則
を打ち破ろうとするところが描かれます。
・かなり校則縛りな要素はデフォルメされたところはあり、それがあるから、校則に立ち向かうところに共感できるのかもしれません。
・「liberty」と「freedom」の説明をするシーンの説明方法の身振りはかなりなたっぷり演技ですが、BGMとの関わりてきに、ちょっといい感じな気もします。
・徐々に主人公の周囲の関係性が描かれていくので、いきなり物語を見失っていくようなことはありません。
・構造としては、学校の生徒の群像劇でもあり、多数のエピソードと人物の相関で成り立っています。
・学校の壁面に、生徒が意見を勝手に書いているのですが、ある意味、インターネットでの書き込みの縮図でもあり、この要素は、スマートフォンやインターネットのなかでしか見えないところをしっかりと視覚化しているので、理解しやすいところになります。
・モトーラ世理奈は、ヒロインとして出演していますが、やはりこのそばかすが印象的ではあります。もともとアンニュイな雰囲気ではあるのですが、その雰囲気には芯の強さがどこかにあるような気もします。美人というよりも、特長的な印象でもあり、どこか魅力を感じます。
・なお、モトローラとついつい読んでしまいがちですが、それだけに、すぐに名前を覚えてしまえるところがあります。
・成海璃子の髪の長さでかんざし一本できれいに髪をまとめていますが、さてそんな芸当が可能なのでしょうか?
・中盤以降から、近くの解体業の外国人労働者たちが学校に乱入してきますが、ここからのラップでの煽りが印象的です。こういうところで使われるラップと言うのはやはりメッセージが込め荒れているので、上手い下手は別として、印象には残ります。
・その後のラップもさらに心に響きます。
・壁の落書きも、ある種のキーになっているところもあり、この結実さというところはこの映画の一番メッセージがわかるところであり胸に響きます。
・退学への抗議と、校則の改定の要望の叫びのエピソードも印象的であり、青臭いところが一周回って心を撃ちます。
・思えば、この構造は「野ブタをプロデュース」的なところを感じてしまいますが、印象ある展開となるので、素直にこの流れを見るのが良いのかと思います。
・ジャニーズ所属の人が多数出てきていますが、アイドル映画という範疇とはちょっと違い、しっかりとメッセージ性があります。
・題名とキャストに先入観をすごく感じてしまうところですが、菅原伸太郎監督の作家性には青臭いながらもしっかりとしたメッセージ性があり、良作だと思うのです。