【監督】大江崇允
【出演】ジョーナカムラ/こんどうようぢ/田崎礼奈/中村文彦/みなもとらい/いちる/美羽フローラ/海崎遥斗/橋本彩花/梅垣義明
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 海堂航平は、元競泳選手で現在は水泳コーチをしていたが、突然妻に離婚届を突きつけられる。その反動で酒に溺れるようになり、新宿二丁目で、美少年の悠嵩と出会う。悠嵩の父は病を患っているが、ゲイであることを告白できずにいた。
アスリートという題名から、相手役の子がアスリートを目指していくのかと思いきや、その要素はありません
大江崇允監督は、大学学生時に舞台芸術を学び、演技システムのルコックシステムを学ぶ。その後、俳優としても活躍しながら、2009年「美しい術」で監督デビューをしています。
ジョーナカムラは、俳優をめざして活動をしていましたが、2003年に香港に渡り、その後台湾で活躍しています。モデルと俳優の両方で活躍しており、台湾で過ごしたときには、独学で北京語を習得しています。
こんどうようぢは、読者モデルの千葉雄大に憧れ、自身で管理するブログでファッションコーディネートを始めます。その後、イベント出演やモデルとして活躍し、中性的な印象を持つことから、「ジェンダーレス男子」という注目されています。歌手としても活躍しており、映画やドラマ、舞台など様々なジャンルで活躍している俳優です。
物語は、元水泳コーチとして過ごしていた主人公が、ゲイの少年と出会ったことで、大きく運命を変えていく物語です。
LGBTという言葉が昨今では目立つようになってきましたが、本作もその題材をテーマにした作品となっています。
序盤からわかりやすいくらいの急展開で、設定を打ち込んできますが、新宿二丁目にたどり着いてきてから本作のテーマとなってきます。
特に主人公とその相手の2人の物語となりますが、周囲のキャラクターもそれぞれに描かれており、シナリオとして細かくできています。
主人公自体は、ゲイというところはあまり意識していないところではありましたが、徐々にそこに気がついてしまうところもあり、ある種なにかのトリガはあるのかとも思われます。
「人生の半分は生きてきたけど世界の半分は見えてなかったのかもしれない」
終盤、浜辺で求め合うシーンが出てきますが、やはりこういう周囲の目を気にしないところは、感情表現の手法でもありますが、逆に、印象としては、よろしくないところもあるかと思われます。
通常のカップルでは行わない行為に羞恥心を考慮しないところは、性差の権利を主張されたとしても、ちょっと説得力に欠けてしまうような気もします。
最後は、1年後となりその後が描かれますが、多くの人がダンスをしているところで、全員が男なのか女なのか判別のつかないところもあり、もやもやします。
個人的にはLGBTに関して、肉体的な関わりをついつい描いてしまうところはわかりやすい表現なのかもしれませんが、精神的なつながりでのところが欠けてしまうとどうしても、ちょっと主題がぼやけてしまうような気もします。
男女間でも、肉体的な関係性のみで描かれる恋愛には、多少不自然な印象もあり、愛情や気持ちの揺れ動きを別の表現で描くほうが、理解しやすいのかもしれません。
アスリートという題名から、相手役の子がアスリートを目指していくのかと思いきや、その要素はありません。