【監督】蜷川実花
【出演】小栗旬/宮沢りえ/沢尻エリカ/二階堂ふみ/成田凌/千葉雄大/瀬戸康史/高良健吾/藤原竜也/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】時代は、1964年。主人公 太宰治は、妻と2人の子供がいながらも、静子と関係を持ち、彼女の日記をもとに「斜陽」を発表する。ベストセラーとなり、社会現象となるが、文壇から、内容を批判され、本当の傑作を追求するようになる。
あくまで、創作であるので、そのあたりはゆるくかんがえるほうが良いです
・蜷川実花監督は、父親に演出家の蜷川幸雄を持ち、芸術系の学校でデザインを学んでいます。2007年「さくらん」で映画監督デビューをしており、2010年にはAKB48「ヘビーローテーション」でプロモーションビデオも手掛けています。写真や映像媒体で才能を発揮している人です。
・小栗旬は、小学校6年のときにオーデディションに合格し、役者としてのキャリアを開始しています。1998年『GTO』でテレビドラマに初出演し、その後、舞台やテレビで活躍をし始めます。主演作『キサラギ』『クローズZERO』のヒットで評価され、数多くの作品で印象ある役どころを努めています。
・本作では、役作りのために10キロ以上の減量をしています。
・宮沢りえは、11歳でモデルデビューをし、徐々に人気を得て、ドラマや映画で活躍をし、18歳のときに発売した写真集「Santa Fe」でも話題となりますが、婚約問題や母親との関係、マスコミのバッシングなどから活動休止となるも、2002年『たそがれ清兵衛』で落ち着いた演技をみせ、本格女優として活躍をしています。
・物語は、太宰治の文壇での生活と、小説「人間失格」の誕生秘話を描いたストーリーとなっているオリジナルストーリーです。
・序盤から、入水自殺のシーンのようなところから始まりますが、その後の「死ぬかと思った」というところから、ギャグっぽい印象もあります。
・蜷川実花作品特有な優雅な色彩と雰囲気で物語が進んで行きます。
・中心に太宰治を置いているので、物語を見失うことはないのですが、主人公自体が、女性関係と酒、タバコと言う自堕落なところがあり、感情移入しづらいところはあります。
・さほど藤原竜也が出てこないので楽しくはありませんが、藤原竜也にもとめている要件はある程度守られています。
・3人の女性と太宰治の物語ではありますが、沢尻エリカが最も愛人っぽい感じもあります。
・何回かラブシーンもありこのあたりはが、R15+指定となります。二階堂ふみの思い切ったところは良いですが、2018年「リバーズ・エッジ」よりも愛情感が高いです。
・結核を患っているというところもありますが、外見上弱っているような感じも見えないので、こんなものかなぁという違和感はあります。
・雪の夜道で吐血をして倒れてしまいますが、ここでの現実と夢の間のような演出は、蜷川実花っぽさがあり、嫌いではありません。
・よくよく思うと、顔のアップのシーンが多く、どこで何をしているのか、ちょっとわからなくなるところもあります。
・全体的にはダメ男の破天荒な物語でもありますが、どこか理知的な印象もあるので、その部分の突き抜け方が足りなかったようにも思います。
・多少キワドイシーンも多いので、万人におすすめできませんが、太宰治の一つの視点で捉えた作品としては良いのではないでしょうか?
・実際の太宰治とは異なる点も多いようですが、あくまで、創作であるので、そのあたりはゆるくかんがえるほうが良いです。
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