【洋画】「サラブレッド〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 アマンダは、子供の頃の友人リリーと出会う。リリーは、名門校に通いながら、インターンシップで企業でも働いていた。アマンダは周囲に馴染めずに暮らしていましたが、リリーと出会ったことで、2人は徐々に親密となり、リリーの父親を殺害しようと計画する。

サラブレッド (字幕/吹替)

音楽の使い方や長回しなど、実は実験的な演出も多い作品

・コリー・フィンリー監督は、ニューヨークで演出家・劇作家として活躍し、脚本をかきあげて、2017年「サラブレッド」で長編映画監督としてデビューしています。サンダンス映画祭観客賞、ゴッサム賞脚本賞やインディペンデント・スピリット賞新人脚本賞で評価されています。

・オリヴィア・クックは、14歳の頃に地元のタレント・エージェントに所属し、その後テレビドラマ等で活躍しています。2014年に「シグナル」で映画デビューをしており、2018年『レディ・プレイヤー1』では、ヒロイン役として印象ある役どころを務めています。

・物語は、個性的な性格なゆえに周囲と馴染めずにいたアマンダですが、リリーと出会うことで、少しずつ変わっていき、徐々に深みにハマっていくストーリーです。

・序盤にサラブレッドが登場しますが、この意味深なオープニングから、アマンダの生活風景が描かれ始めます。

・そもそも、サラブレッドは血統をめぐるところがあり、それはアマンダやリリーに関しても同様に血統と言う名の家系に基づくところにもなります。

・なお、サラブレッドといえば、競馬となりますが、競馬の血統においても、複雑な理論と組合わせで名馬が生まれます。

・また、近代競馬における血統は、必ず3頭のサラブレッドが始祖となり、ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの3頭の血統に行き着きます。

・リリーは、厳格な父親に対して憎しみがあり、アマンダは、感情が乏しく罪の意識が希薄というところがあります。

・その2人が共感しあいつつ、最終的にとある行動を起こします。

・この流れにおける2人の関係にドラッグの売人も関わってきますが、計画は少しずつズレ始めていきます。

・淡々と描かれるところと、意味深なシーンが多く、細かい説明は語られません。

・そういう点では難解な作品となってきますが、登場人物は少ないので、しっかり観ていけば内容は理解できます。

・むしろ家や庭などのちょっと豪華なところが、物語自体の落ち着きを保っているようなところもあります。

・庭にあるチェスの庭園はちょっと魅力的な感じもします。

・音楽の使い方も一味ヒネリが効いており、きちんとした音楽というよりも、打楽器を使ったり、リズムやテンポをちょっとズラすような使い方で、変わった盛り上げ方があります。

・ラスト18分間の演出はかなり違和感があり、放送事故のような演出を感じますが、この静と動の演出はむしろ見事すぎます。

・静かなテンポで物語は進みますので、多少退屈な印象もありますが、よくよく思うと、音楽の使い方や長回しなど、実は実験的な演出も多い作品かと思います。

サラブレッド (字幕版)

サラブレッド (吹替版)

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